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日蓮大聖人・池田大作

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中日友好協会主催歓迎宴でのあいさつ  

1974.5.31 「池田大作講演集」第7巻

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1  尊敬する中日友好協会会長廖承志先生、ならびにご列席の諸先生方、本日はこのように真心あふれた歓迎宴を開いてくださり、大変にありがとうございました。
 このたびは、廖承志先生をはじめ中日友好協会の諸先生方のあたたかいご配慮と深いご理解によって、日中両国の相互友好のため、貴国を初めて訪問いたしました。創価学会を代表して衷心より厚く御礼申し上げます。
 私たち訪中創価学会と代表団の目的は、その第一は、午前八時の太陽の息吹をもつ勃興しゆく新中国の人民の姿を学びたい、そしてアジアの絶対の安定、ひいては世界平和実現のために、その鍵ともいうべき日中友好親善にいささかなりとも寄与したい、ということであります。
 第二は、青年ならびに学生と信頼を深め、かつ交流の拡大につとめたい。
 第三に、政治、経済の次元を越えて、永遠性につながる文化興隆への軌道をつくり、残したい。
 私たちの貴国における日程は約二週間余の予定でありますが、初めての訪問で不馴れでありますので、皆さま方には、大変お世話にもなり、ご面倒をおかけすることになるとぞんじますが、どうかよろしくお願いいたします。
 幾百万人の人民の集団である創価学会は、一九三〇年の創立以来、四十数年にわたり、抑圧された民衆のために戦い、平和を妨げる勢力と対抗する平和団体として、幾多の中傷と非難と誤解の障壁を乗り越えてまいりました。
 日本の軍国主義がアジア諸国を蹂躪し、中国においても多大な民衆の犠牲をもたらしたとき、創価学会の初代会長は、横暴な権力によって投獄され、獄中でその生涯を終えました。私の人生を決定づけた第二代戸田会長もまた獄中にあって二年間、傲慢なる権力のいかなる圧力にも屈せず、信念を貫き通しました。
 以来、創価学会は、侵略主義、ファシズムとどこまでも対決していく反戦平和勢力として、民衆のなかで戦い、かつ育ってまいりました。
 私どもの目的は、ただひたすらこの地上から“悲惨”の二字をなくし、人類が心から幸福を享受しうる恒久的な平和世界を築いていくことにあります。
 ともあれ、長いあいだの念願であった日中両国間の国交が正常化し、また近くは日中航空協定が成立し、両国の友好が本格化するなかで、このたび、私たちも皆さま方のご尽力により、北京の土をふむことができました。私にとって歴史的な日であり、生涯忘れない日でありましょう。
 この秋には、北京に直行便が飛ぶようになるでしょう。東京-北京間はわずか飛行機で四時間数十分であり、ますます日中両国人民の近接感は、いやまして高まっていくであろうことは疑いありません。
 これほど近い距離にあるにもかかわらず、東京-北京間は、残念なことに長いあいだ、きわめて遠い距離にありました。
 ここに長いあいだ、閉ざされていた両国間の扉は開かれました。私は、更に大切なことは、この開かれた扉をとおして、さまざまな人々が厚い平和と友情の心をたずさえて行き来し、相互理解を深めていくことが第一義であると思います。いわば、物理的扉を開くことから、人間の扉、精神の扉を大きく開いていくことが、これからの両国の大きな課題となりましょう。
 私は、かねてより日中両国の友好平和関係こそ、アジアの平和の絶対の条件であり、一切の大綱であり、ひいては、これが世界平和へと波及することを、信念として主張してまいりました。六年前、すなわち一九六八年に日本の青年、学生に対して、両国の国交正常化を強く訴え、民間次元での日中友好こそ急務であると訴えたのも、その信念の発露でありました。
 私たちは、今回、新中国の人民、特に青年たちの偉大なる建設の姿を直接拝見し、学んでいきたい、との率直な気持ちでまいりました。特に北京においては、各界の人々と、誠実な友好の対話、意見の交換を行い、長期的な展望のうえから、アジアの磐石な平和を築くために、価値ある果実が結ばれることを強く念願しております。
 創価学会はまだまだ未熟な存在かもしれませんが、真剣に平和と友好を保ちゆこうとする熱情だけは、ご了解いだだきたいと思うのであります。ゆえに、平和を妨げる幾多の動きに対しては、もっとも鋭敏であります。
 また、日中国交正常化のために果たされた諸先輩、ならびに盟友公明党が築いた友好の“金の橋”を大切にしながら、かつはまた、拡大し、子々孫々まで確かなものにするために、私も誠心誠意、生涯をかけて尽くしてまいる決心であります。私どもの今日のこの小さな握手が、やがてアジアの民衆間の握手になり、二十一世紀の人民勝利の歴史潮流となっていくことを、私は信じてやみません。
 最後に、今日まで貴国が平和への強い信念のもとに、友好的な手を日本にさしのべてくださったことを感謝するとともに、中国のますますの発展を祈り、日中の平和友好、アジアの平和、人類の平和のために、中国の偉大なる指導者、毛沢東主席閣下のご健康とご長寿、そして周総理閣下、廖承志先生のご健康、ご列席の諸先生のご健康とご活躍を祈りつつ、私の挨拶といたします。乾杯!

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