Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

壮年部夏季講習会 創価学会は広宣流布の団体

1974.8.17 「池田大作講演集」第7巻

前後
1  来月、ソ連からの正式な招待により訪問することになっているが、そのさい「静かなドン」の作者として有名なソ連の文豪ショーロホフと対談する予定になってい。その彼の代表作の一つに「人間の運命」という作品があるが、これには、戦争が一個の人間の幸福、平和を残虐にもてあそぶことをとおし、不幸な運命をもつ人間の避けて通ることのできない問題が、赤裸々に描かれている。
 人間の運命、宿命という問題は、このように、古今東西の文豪、哲学者が、その解決を求めてきた人生根本の命題であるといってよい。人生を単なる“変化”させるという次元ならば、内因、外因によっては、あるていどの証明はなされよう。しかし、それを越えた、より本源的な運命の転換、宿命転換の法則は、仏法をおいてほかにない。宇宙の究極の法則と合致して、人間の内なる生命が根源から変革されていく。仏法は、この依正不二、因果の理法に照らして、明確に説かれた超合理の法則なのである。
 こうした偉大なる宇宙の法理にのっとった信仰の当体こそ、我らが朝な夕なに対座するところの大御本尊であり、宿命転換といっても、この御本尊を根幹とした仏法の実践以外にありえないことは当然のことである。無量義のなかの根本の一法であるゆえに、一家一族の宿命の転換も、この他の方途はないと決定して、どうか、私とともに着実に悠々と信心を貫き通し、人生の総仕上げをはかっていただきたい。
 この意味から、今日つどった皆さん方を「福運グループ」と名づけたいがどうだろうか。(全員挙手、採決)全員が自分の努力と知恵と誠実な実践とで福運を積み、築いた財産を家族に、更には子孫にと与えていけるような、悠々自適の境涯となってもらいたい。
 各人が物心とも豊かに、財産を築くということは、一見、利己主義に思えるかもしれないが、決してそうではない。自分の正当な力と福運の蓄積は、そのまま偉大なる信仰の証明になるのであり、そうなること自体、社会の財産にもつうずるし、民衆平和への貢献の足跡となることを銘記したい。
 次に、なによりも健康であってもらいたい。だれもが生身の体であるがゆえに、つねに順調にいくとはかぎらない。疲れたらよく休み、決して無理をすることなく、つねに次の会合に備えていく体調をととのえるように心がけてほしい。
 健康の根源は、いうまでもなく毎日の五座・三座の勤行にある。これは私の二十七年間の信仰体験からしてもいえることであり、一つの目標として明年の講習会まで“勤行をやりぬくこと”に、できるかぎりかたむけていこう。
 皆さん方は、あくまでも自分は自分らしく毅然とした態度で、しかも慈愛をもって正法のため、自身のため、そして仏子のため指導にあたってもらいたい。信仰者であればこそ柔和忍辱の衣を着る、という姿が大事なのであり、学会の重鎮としての行動を果たし、仏子である後輩の育成にあたっていくためにも、どうかなにごとにも“我慢強い”姿勢を堅持していっていただきたい。
2  学会は、草創の時代から、戸田前会長とともに折伏弘経の団体であった。しかし、時代が進み、あらゆる分野にあらゆる人材が数多く育ってきている。これはひとえに皆さん方の功績のたまものであるが、学会の若き後継の人材は、そうした皆さん方の志をつぎ、とどまるところを知らずに成長している。
 そこで午前中に行った副会長会議でも決議したことであるが、折伏弘法の団体であるという学会の永遠の指針に立脚して、更にもう一歩進めて「学会は広宣流布の団体」であることを定義づけておきたいと思うがどうだろう。(大拍手)
 御書にも「大願とは法華弘通なり」とあるとおり、学会は、今後も人のため、世のため、更には人類平和のために、ご聖訓のままに進んでいく。したがって、信仰で得た皆さん方のみずみずしい力、社会の平和運動に挺身していく反戦のエネルギーというものは、ますます時代社会が要請するものとなってこよう。それがより幅広く崇高な仏法の理念を社会にひろめていくことにもなり、広布を進めていくことになるのである。この意味で、学会は広宣流布の団体であるということを正式に定義づけておきたいが、どうだろうか。(全員挙手、採決)(要旨)

1
1