Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

東京第4総合本部幹部会 権力の性を打ち破ろう

1969.12.9 「池田大作講演集」第2巻

前後
1  私達は、よく信心と団結が大事であるといいます。
 今日まで想像を絶する戦いの結果、創価学会は第三勢力の基盤をつくりあげました。だれも予想せず、考えてもいなかったと思います。評論家等の予想もことごとく外れています。厳然たる事実です。今日の創価学会の発展の根本は何か。それはいうまでもなく、信心と団結です。これからも信心と団結さえあれば、まだまだ新しい分野を切り開いていける、この確信がなくてはいけません。この根本の姿勢、一つの路線を忘れたならば、私達の前進はそこで止まってしまいます。
 権力は、本来、魔の住居ともいえましょう。日蓮大聖人は「悪鬼入其身」と断じております。悪鬼・悪神が最もその身に入りやすいのが、権力の座であります。魔の働きです。
 人が権力の座に住するならば、なんでも命令ができ、意のままに指示ができ、金もうけができ、これ以上いい立ち場はありません。あらゆる手段を講じて人が権力の座を守るのに躍起となるゆえんがここにあるのです。そこに魔がくい入るのです。魔の”結晶”が権力の”宝石”になるのです。それに目がくらんではいけない。その権力との挑戦が王仏冥合の戦いなのです。なにをもって、その権力の魔を打ち破るのか。ご存知のように、それは仏の力以外にないのです。
 権力という魔を打ち破るためにも、それを本当の慈悲の権力に変えるためにも、それに挑戦する根本は仏法しかない。仏の力以外ありません。ということは、具体的実践でいうならば、私どもの信心の実践に帰着するわけであります。
2  たとえていえば、あの女性は本当にきれいな人だ、あの女性をお嫁さんにもらいたい、という脈々たる決心が心のなかにあれば、最後は実現されるのです。その具体的方法はいろいろあるでしょうが、根底にお嫁さんにほしいという決意が必要です。また試験にしても、なんとか合格したい、という根底の一念が大事です。決意です。その根底の一念というものが、どうであるかによって、自らの行動も変わってくるし、結果も変わってくるのです。
 と同じように、信心は、最高に人間性を尊重します。人間主義です。その根底は慈悲心です。また民衆の連帯意識をつくり、最高の民衆の幸せを築こうとする本能です。そこに全部含まれてしまう。
 故に、その結論をいうならば、末法万年にわたる人類の救済と、即絶対の平和主義の御本尊に南無するという強盛な信心以外に、本当に魔を打ち破り、民主主義を確立しきっていく力は出ません。したがって、信心と団結で進まなければならないゆえんがここにあるのです。これが本当の民衆のための戦いであり、勝利であり、栄光であると私は申し上げたいのであります。
 更に、信心と団結のうえに立った方策、または作戦、努力が大切であるということです。その根底なくして、いかに立派なことをいっても、いつかは虚像として消滅してしまうことを忘れてはならない。信心が根底であるが故に、私どもの戦いは、結局、王仏冥合という日蓮大聖人のご遣命の実現になるわけです。それは即仏道修行に変わっていくのです。だから私達には功徳があるのです。
 また後輩同僚に対しては、絶対に威張ったり、しかりつけたりしないで、暖かい気持ちで接していくことを忘れないでほしいのです。なぜなら、私達同志は異体同心です。異体同心ということは、全員がなんらかの使命をもっている。全員おのおのの仕事がある。それをお互いに尊重しあって、各分野で個性を発揮して戦っていく。それが異体同心の原理であります。
 なお、幹部はどこまでも後輩を擁護し、第一線の戦いが最もしやすいように、神経の先の先まで気をくばっていかなければ、本当の学会の前進はできません。かゆいところにまで手が届くような、そこまで神経をすり減らして考えてあげる人、それが私は幹部であると思います。
 幹都は皆が納得のいく指導・指揮をとらなくてはなりません。だれでも、自分が納得できないことには、活動力が鈍るものです。納得した場合は、”ようし、やろう”となる。こういう指揮をとっていくべきです。
 また幹部は、戦いが激しくなればなるほど、後輩の意見をよく聞いて、一つ一つ実践してもらいたいと思います。これはどのような会合においても、また、いかなる時でも、こうあってもらいたい。そして、一般大衆とのあいだに断絶をつくってはなりません。ともに常識豊かに、社会性を重んじていくことが最も大切であります。

1
1