Nichiren・Ikeda
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1 創価学会は、もはや日本の第三勢力であり、私達の行動は日増しに重要になり、同時に注目もされています。その意味において、もう一度、学会の草創期にかえって、基盤を完璧にし、そしてまた、転換しつつある時代の現実を考え、把握しながら、前進していかねばなりません。そういう観点から、幾つかのことを皆さまに相談し、お願いする次第です。
2 まず、隣近所の交際を大切にしていきたい。
学会といっても、所詮、学会員一人一人の生活、行動が基本です。そして、一人の学会員といえども、その生活するところは社会の縮図であります。学会員の行動いかんが、社会に大きく影響を及ぼします。
いわば、学会は、人生でいえば三十代、四十代の壮年期であり、それだけの分別と実力をもつ時代に入っています。私達も当然、知性と分別のある行動をとらねばなりません。「さすがは学会員だ。どこか違う」といわれるような人間であることが、結局は、折伏に通じていくのです。
日蓮大聖人は、次のように仰せです。
「中務三郎左衛門尉は主の御ためにも仏法の御ためにも世間の心ねもよかりけり・よかりけりと鎌倉の人人の口にうたはれ給へ」
これは――会社においても立派だ、学会活動、信心の実践においてもすばらしいといわれる人になりなさい。あらゆる世間の付き合い、隣人に対する交際においても、本当に人柄がよく、立派だという人物でなければ、大聖人の仏法を実践している人とはいえない――というご指導です。
もとより、信心を破ろうとする障魔、強敵が襲いかかったときは、敢然と不惜身命の決意で戦わなくてはいけません。しかし、むやみに、他を謗法者扱いにし、人にきらわれる行き方は愚かであり、むしろ世間の人に信心を誤解させる謗法の行為にさえなってしまう。
仏法は完全無欠の円教です。道理です。信心しない人が見ても″なるほど″といわれる姿がなくてはならないと思う。私の意見に賛成の方は手を上げてください。(全員挙手)
3 信心を理由に、やるべき仕事もしないで、休むようなことがあっては絶対になりません。また、幹部も、いかなる理由があっても、信心のために仕事を休ませる資格はありません。
ただ、仕事のほうも全然心配がない人や、休暇が余りすぎている人が、自分の求道の一念から、自身の責任で休まれることは自由であると思います。また、広宣流布のために、積極的に学会活動をやりたい、というような場合も、やるべきことはやりきったうえで、本人の責任で休むことは自由です。
ともあれ、各自の職場で立派に仕事をやりぬき、信頼を勝ち得、尊敬され、見事な勝利者になることが、信心の偉大なる証明となります。それが大きく折伏につながっていくことを知っていただきたい。
4 婦人部の午前中の学会活動は一切中止します。今までも、午前中は一切やってはいけない建て前になっていますが、ここでもう一度、はっきり確認しておきたい。
午前中は、掃除や洗たく、つくろい等、家庭の主婦として大切な仕事がいっぱいあると思います。家庭婦人にとって、午前は、一日のリズムを決める重要な時間です。この午前中を有効に使い、立派に家庭を守っていただきたい。午後は、価値的に活動する場合もあるでしょう。
この午後の活動を生かすためにも、午前の時間は大切です。全国の婦人の皆さんに対して、このことをはっきり申し上げ、決定したいと思いますが、賛成の婦人は手を上げてください。(全婦人が挙手)
5 地区講義、一般講義をはじめ、一切の学会行事は、座談会の場合と同じく、午後七時から同九時までの二時間と決定しておきたい。ただし、本部ならびに地方本部幹部会などの場合は、原則として午後六時半開会とし、それ以前に集合が完了した場合には、開会が早まってもやむをえない、こう提案するものですが、いかがでしょうか。(拍手)
私は皆さん方が価値的な戦いによって、楽しく学会活動に励めるようにしたいのです。そうでないと、信心の歓喜を忘れ、成仏の本道を見失ってしまう。
私は、学会の会長として、それを最も心配しております。一人一人が、私とともに御本尊に直結し、幸福の大道を真っしぐらに進まれんことを心から願うものです。
6 各種会合の担当者は、絶対に時間を厳守していただきたい。遠隔地の人や早く帰らなければならないような事情のある人には、適切な指示を与えて帰してあげるようにすべきです。それができないようでは、指導者として失格だといわれてもやむをえない。本当に困っている人、悩んでいる人を微に入りに細ににわたって面倒をみ、激励して、相手の人が、自信をもち、安心して信心、生活に励めるようにしてあげるのが、真の指導者であると断言するものです。(拍手)