Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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男子部班長特別訓練 正義の信念を貫く人生たれ

1969.1.9 「池田大作講演集」第1巻

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2  信念について自己を絶対に裏切るな
 先日、ある映画を見ました。ストーリーは、大洋の果てで大シケにあったカシオ船が、すぐ近くで遭難している外国のヨットの「SOS」を受信し、救援するというものですが、最初、乗り組み員は、自分達の生命を守ることさえ危険であるからといって、ヨットを見殺しにしょうとするわけです。
 しかし、そのときに、中心者が「ヨットのいちばん近くにいる自分達が避けてしまえば、だれも知らないかもしれない。しかし、SOSを受信しながら逃げ出したいは、一生残るだろう。その悔いは、年月がたてばたつほど、痛くなる。その意味からも、少しでもヨットの近くへ寄って救出しよう」と訴える感動的なシーンがあるのです。
 なぜこういうことをいうかといえば、いかなる困難にあっても、自分が正しいと思うこと、信念を貫き通す重要性を知ってほしいからです。特に、少年期、青年期に妙法をたもった皆さん方は、その主義主張を生涯貫いていくことが最も尊いということを自覚していただきたい。
3  主義・主張を貫いた人が偉い
 思想の、浅深・高低を問わず、過去の歴史において、社会主義者であれ、自由主義者であれ、共産主義者であれ、たとえ、その人の一生が貧乏で、苦難の連続であっても、その主義・主張を生涯貫いた人は、人間的に偉いと思う。今はそのような人が少ないようだ。
 その反対に、同志を裏切り、自己を裏切って転向した人は、一時は、時流にうまく乗って栄えたとしても、その人の心の奥底には、死ぬ瞬間まで大きな傷が残るにちがいない。
 それは、いくら他人に対してうまくつくろおうとも、自己の本質におけるその苦しみから免れることはできないものです。トルストイの「悔恨は最大の不幸である」という言葉も、このことを端的に表現していると思う。
 時代の変選により過去、現在のイデオロギーも矛盾を露呈したり行き詰まったりする。また、一つの会社の命運や一国の政策とか政治等々は、合併や妥協もあり、流動もいくらもありましょう。しかし、妙法は、一般的な主義・主張とは本質的に異なり、絶対的で永遠のものであり、時代によって、変わっていくようなものでは決してない。宇宙の法則それ自体である。故に、主義・主張としても、これこそ絶対であり、最高峰のものであります。
 我々は、この偉大な信心に若くしてつくことができた。諸君が、もし目先の小利益に迷ったり、惰性に流され、誘惑に負けて、この南無妙法蓮華経という根本法則から離れ、正義の同志を裏切っていけば、その悔いは永違に消すことができないでしょう。諸君の人生、行動は、全て自由です。私はなにも申しません。ただ、広宣流布を目指す最高の同志として、主義・主張に生きていくことについてだけは、厳しい態度であってもらいたい。同志を互いに守り合うこと、信心を貫くということについてだけは自分を絶対に裏切らないという、強い強い一人一人になってもらいたいのです。(大拍手)
4  学会の伝統は最高の善の創造に
 最後に、創価学会が悪戦苦闘のなかで、いかに大聖人の御金言のままに生命を賭して寸分違わぬ実践をしてきたかということを忘れないでほしい。
 なにを疑い、だれを疑うのも一切自由である。しかしこの信心は、あらゆる哲学を包含し、生命の実相を説き明かした結晶であり、その実践は、最高に正しい人生、最高の善を創造する戦いの伝統と法則をもつ学会のみにあることだけは断言しておきます。
 したがって、現在、未来にわたり、いかなる批判があろうと、この崇高なる新社会建設の唯一の根本法たる信心だけは断じて放してはなりません。この荒れ狂う社会のなかにあって、妙法をひろめ、幾百万人の人達を救済しきった我が創価学会の建設の偉大な大船だけは、絶対に護り抜くという気持ちで諸君は進んでいってください。これだけを本年初めてお目にかかった諸君にはなむけとして申し上げ、私の激励とします。(大拍手)

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