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日蓮大聖人・池田大作

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在京大ブロック長会 対話の心得

1968.4.20 「池田大作講演集」第1巻

前後
1  新しい時代に入った今日、幹部として心得ていただきたいことは、同志、後輩の一人一人との心を打ちわった対話を重んずるということです。この「対話」という言葉は、世間では最近になって、急にクローズアップされているようですが、学会では、すでに四十年もまえから、軍国主義時代のなか、先駆を切って、庶民のなかに入って実践してきた伝統をもっているのです。牧口初代会長以来の学会の伝統である座談会は、全て対話形式で行なわれ、今日までたゆみなく続けられてきたのです。
2  まず自分自身が成長
 ひとくちに「対話」といっても、この言葉のなかには、指導という意味も、訓練、教授、擁護ということも含まれています。信心の経歴等から、そこに先華、後輩という関係があるのは当然ですが、あくまでも、私達は、御本尊のもとに平等であるという自覚に立って、一人一人と対等に話しかけていくことが対話に通ずるわけです。
 したがって、幹部は、どんなことでも聞き、話し、また教えてあげなくてはならない。この場合、自分は役職が上で、相手は下だなどという考えがもあってはなりません。
 それどころか、まず自分自身が、相手より余計に題目をあげ、御書を読み、機関紙を読んでいく求道心が大切となってくる。日に日に成長している人は、いろいろな人との対話や座談会を通して、随分、自分のわからない質問や批判に接し、そのつど真剣に題目を唱え、御書を読み、先輩に聞いて進歩しております。
 先日、ある学会の会合を、一流の新聞記者が見にきておりました。その会合はある総務の担当の質間会でしたが、出席者から、その記者も、なるほどと思うような、いろいろな質問が出たというのです。それに対して、その総務は、筋道を立てて、実に明確に答え、全員を納得させている。この姿を見て、その記者は「学会は、このように、全員が納得するまで、質問や対話がなされているとは知らなかった。これは私どもの先入観念が間違っていた。学会が強いのは、ここにある」といって驚いていたそうです。
 ですから、皆さん方は、どのような会合、対話をも、結局、自分の成長のためであるとの確信に立って、すすんでブロック員一人一人と体当たりし、心から納得させる指導をしていただきたい。そして、あらゆる人々から、尊敬され、慕われ、信頼される幹部になってほしい。(拍手)
3  相手の迷妄を打ち破る確信
 次に大切なことは確信です。いくら対話だからといって長時間をかけても、効果がない場合があります。逆に、確信に満ちた、ただの一言で、相手を奮い立たせることのできる場合もあるでしょう。それは結局、相手の人の状態によって決まるのです。
 ですから、相手がどういう人なのか、よくその本質を見きわめていかなければなりません。本当に信心、仏法のことを聞きたい人なのか、ただ単なる批判に終始している人なのかといった、相手の本質は、おのずからわかるものです。相手が道理を無視して批判のための批判をしてくるような場合には、厳然といいきっていく確信ある指導が大事なのです。出発も最後も、結局″確信″の二字で決まります。
 どうか、どこまでも話し合い、納得させていく対話をするとともに、もう一面は、厳然たる信心の確信の利剣をもって、相手の迷妄を断ち切り、引っ張っていくとの、この両面を忘れずにリードしていっていただきたい。(拍手)
4  価値ある行動と判断を
 次に望みたいことは、価値ある行動ということです。よく夜の八時まで待っても、なかなか集まってこない座談会があります。この場合、いちばん気の毒なのは、最初から参加していた人です。このようなときには「もう七時になったから、夜の勤行をしよう、題目をしっかり唱えよう」と気をきかせ、参加者全員で勤行・唱題をするのも結構です。そのほうが、ただ漠然と待っているより、どれほど価値があるかわからない。
 また、みんなが疲れているようなら、会合を早めに終え、全員を休ませてあげることも、次の戦いを推進するには、どれほど有益になるか測り知れない。今後、学会がますます多角的な活動を展開していくことを考えれば、あくまでもいちばん価値ある活動を展開し、価値ある証拠を出すための明確な判断、指示、行動ということが、最も必要になってくるのです。
 しかし、このことは、決して自分にのいいように価値観を利用してよいということではありません。価値は創造するものですから、必ずいい結果、証拠を示す方向に進ませていかなければいけないのです。悪い結果に進む場合は、反価値であり、邪道です。
5  時間を厳格に
 もう一つ申し上げたいのは、学会は、あくまでも時間を厳格にしていきたいと思います。これは最高幹部も、十分、注意するようにしておりますが、特に座談会や指導会を開く際、その最高責任者は、どのようなことがあっても、開始時間までには、きちんと行くことが大切です。そして、たとえ、集合した人々が少ないからといって、きている人達に、所定の時間に遅れた人やこられない人の責任を問うてはなりません。
 中心者はただ、与えられた時間を、全力あげて指導・運営にあたることが大切です。この「一人立て」の精神を身に体した責任ある幹部の行動によって、他の人々も、しぜんにその時間に集まるようになる。
 そのようにして、民主主義の縮図ともいうべき、楽しい座談会が、おのずから確立されていくのです。これとは逆に、責任者が遅くなって、大勢の人に迷惑をかけ、不信をいだかせるようなことがあれば謗法ともなります。
 したがって、もし、やむをえない事情で遅くなったり、行けなくなった場合には、早く代理の人を出すとか、連絡をとることが大事です。その場合の連絡も、思惑ではなく、自分の時間帯とにらみ合わせて、常に最悪のことを考え、これならば間違いないという精確な報告・連絡を取り合っていただきたい。
 更に、きてくれる予定の幹部がどうしても急にこられなくなったときは、そこにいる中心者が、即座に会合を開いてあげるとか、早く全員を解散させるとか、聡明に、臨機応変の指揮をとっていっていただきたい。
6  全員の団結で支える学会
 細かい、地味なことを申し上げましたが、創価学会がこれほど発展してきた以上、もはや私一人で全てを支えていくという時代ではありません。皆さん方一人一人が支えていっていただきたいのです。あくまでも皆さんの学会です。
 どうか、楽しく、スクラムを組んで、自分達のいる世界だけは、絶対に心配ない、チームワーク、団結は完璧であると、このようにいいきれる戦いであってほしい。
 私も班長をはじめ部隊長、支部長代理等、いろいろな道を踏んできましたが、自分の与えられた部署に対しては、全力をあげて戦い抜いてきました。皆さん方も、だれがなんといおうが、自分が任されたところは御本尊に直結させ、我がグループは必ず幸せにしてみせるという決意で戦ってください。
 最後に、くれぐれもお体を大事にして、お子さんやお孫さんへ見事にバトンタッチするまで、堂々と信心を貫き通して社会の大勝利者となってください。(拍手)

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