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日蓮大聖人・池田大作

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民衆と共に前進 広島会館落成入仏式

1955.3.7 「会長講演集」第13巻

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1  たいへんおめでとうございました。(拍手)
 山田さんの経過報告を聞きますと「先生」ということばが十六回でてきた。ずいぶんくどいなと思いました(笑い)。山田さんというイメージは、ひじょうに明るいし、なつかしいし、また純粋性を私どもは感じています。
 皆さん方の代表として、国会議員になる。願わくは「先生」などといわれないで、いつまでも「山田さん」といわれながら、親しまれていく民衆の指導者になっていただきたい。
 先月、九州で市議会議員の選挙があった。たいした人物でない大幹部が「先生、先生」といわれて落ちています。
 わが創価学会の強味は民衆のなかに生き、民衆とともに前進していることであります。私はやむをえず「先生」といわれて、いまはだまっておりますが、心のなかでは”ほんとうに申しわけない。そのようなことをいわれる自分ではない”と思っています。しかし”いけない。いけない”といえば、余計にいわれてしまう。しかたがないから記号と思っていよう。「先生」というひとつの記号が、私の呼び名だと”池田さん”というわけにはいかないので、おせじを使う記号だと、このように私はいつも思っています。(笑い)
 皆さん方もこれからさらにおおぜいの人の指導者になっていくことは間違いありません。社会的大指導者になっていくこともとうぜんです。その時に先生呼ばわりされて、いい気になるような人が、ひとりでもあってはいけない。「先生」などとおせじを使ってきたならば”人を小バカにしているのだな”と思うぐらいの気持ちが大事です。
 それを、愚かな人間ほど、ほめられるとついいい気になって、自分はたいしたものだと思い、そう呼ばない人間に対しては、かえって感情的になっていくみたいな、ひじょうに下劣な人がいる。そんなことであってはいけない。
 どこまでいっても「山田さん」と呼ばれ、またそういっていけるような中国であっていただきたい。まず、これをお願い申し上げます。(拍手)
2  中国といえば、皆さん方が山田さんをいちばん尊敬していることはよく知っています。ちょうどインドといえばネール、フランスといえばドゴール、そしてイギリスといえば、いままではチャーチルみたいに、中国といえば山田さん。山田さんといえば中国。それほど中国の大指導者であります。
 本人自身も純粋な信心でありますから、強い気性を反省して、二宮さんあたりに「少し自分は強すぎるらしいとよく会長にいわれるけれども、最近は少しよくなっただろう」というふうに、そっと相談しているとのことです(笑い)。根性はそのままだが、大きく育っていることは間違いない。おおらかになっているし、包容力もできているし、りつばな皆さん方の代表になっていることは間違いありません。
 むしろ私はいいたい。山田さんがそれほど自分で反省をしている、この純粋性、きびしさが大聖人様のおおせどおりのものであったならば、それをうけて指導される皆さん方のほうが、どれほどしあわせであるか。こう申し上げたいと思うのですけれどもどうでしょうか。(拍手)
 腹黒い、おせじ使いの指導者や政治家にどんなにほめられようが、おだてられようが、そのようなことはなんの価値もない、唾棄すべきことです。
 大聖人様は「詐り親しむは是れ彼が怨なり」とおおせであります。また「彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」とも申されております。この御金言を実践しょうと努力している信心には敬意を表さなくてはなりません。
 私どもは純粋な信心であるがゆえに、勝ちいくさをしております。願わくは、この純粋性を見習って、功徳をうけていくおおいなる信心のカテにしていっていただきたい。このことを重ねてお願い申し上げます。(拍手)
3  最後に、ただいま理事長から話がありましたが、おとといは宇部の会館の落成入仏式が終了しました。私はうれしい。
 広島というと、すぐに連想するのは山口であります。昭和三十一年前後であったと記憶しますが、戸田先生の指示で、単身、山口作戦に私が陣頭指揮をとりました。
 当時は数十世帯あるか、ないかの状態でした。延べ三十日間で約六千世帯の折伏をしたわけであります。その時に、はせ参じた人は山田さんでありました。また各支部から何人かの同志の方々も応援にきてくださいましたが、その人たちのことは、私はいまでも忘れておりません。ただいま落成入仏式のときにも、題目を送りました。
 当時は理事室もなんら応援してくれない。戸田先生はそうとうの考えがあっての山口作戦であったわけです。私はよく知っていました。会社もなんとかつごうをつけ、電車賃もぜんぶ自分でつごうつけての戦いであります。思い出は深い。その時にタイアップして、今日の大基盤をつくったのが山田さんであります。
 したがっていろいろな点で、山田さんに対しては、私は敬意を表しております。大事にしております。こんど国会議員に立つにおいても、いままで山田さんたちをいじめた検事を向こうに回して、法務委員として堂々と戦うことを、私は楽しみにしております。(拍手)
 結論として、山田さんについていけば、信心は間違いない。やかましくいわれてがんばりきれる人は、もう一人前である。このように申し上げるわけなのです。どうか山田さんも、いままで以上に支部員の人たちのなかにはいって、親しまれ、尊敬されて、ご期待にそえるようにがんばってもらいたい。
 最後に阿部先生のご導師を心から感謝申し上げ、そして青山先生のご臨席を厚くお礼申し上げまして、私のあいさつといたします。がんばってください。(拍手)

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