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信心の二字貫き 第57回本部幹部会

1965.1.24 「会長講演集」第12巻

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1  たいへんに寒いところ、また長い時間、ご苦労さまでございます。
 本部の幹部会は、過半数が人事の発表で、ひじょうに退屈であったと思います。
 私がわるいわけではなくして、学会が発展したことが悪いのですから、ご了承ください。(笑い)
 さきほど柏原副理事長から班座談会について話があったとおり、そのことを、よく皆さん方のこんごの指導の糧としていただきたいのです。これだけがお願いであります。
 本年は、私も皆さん方のご期待にそえるように、より以上勉強し、努力をしてまいる決心でございます。なにぶんよろしくお願いいたします。(拍手)
 先日、ある有名な人が本部にまいりました。どうしても懇談したい、話を聞きたいと、何回か連絡がありましたもので、会いました。心の中は、なんとか学会を利用しようとする心があるらしいのですが、そういうことは口にはとうぜん出しませんし、こちらも聞くわけがありません。それはそれとして、なんでも佐藤総理と仲がいいらしいのです。総理のことについて、その人いわく「ほんとうに佐藤君は総理になったらば、ニヤニヤ、笑ってばかりいてしょうがない。このあいだもいっておいた。ということは“うちの女中が、あなたのことを、総理になるとあんなにもうれいしのか。笑ってばかりいるといっているよ”と、こういうふうに注意しておいたんだ」と。こういう話でした――私にはなんの関係もない話でありますが。それは、おこった顔よりも、えがおのほうがいい場合が多いとは思いますが、私が申して上げたいことは、それは総理になったことはうれしいでしょう。それが人情です。そんなことをとやかくいうのではないのです。
 ただ大事なことは、総理になってから、なにを国民のためにするかということが、絶対大事であると思いますけれども、どうでしょうか。(拍手)
2  きょうも、約七百名の大幹部が誕生しました。理事も三百名を突破し、最高幹部も約八千名になりました。幹部になった方々に、私はお願いしたいのです。
 幹部になったことがうれしいだけではなくして、幹部になったがゆえに責任があるのです。これから会員の方々のために、または社会の人々のために、どれだけ尽くすか。自分も成長し、尊敬され、信頼され、そして万人から慕われる人になってこそ、幹部になった値うちがあるのです。ところが、「うれしい、うれしい」だけであったならば、断じてならないと、こう申し上げたいのです。よろしくお願いします。(拍手)
 ものわかりのいい幹部になっていただきたい。常識豊かな幹部になっていただき
 たい。どんな話でも納得できる。あの人に聞いていけば心配ないといわれる人になっていただきたいのであります。これが創価学会の幹部です。いつも折伏の顔ばかりして、おっかない顔ばかりしているような幹部は、創価学会の幹部ではないのです。
 春風のごとく人に接していただきたい。ただし、自分自身の信心、反省、成長にあっては、秋霜のごとくあっていただきたい。敵と戦う場合には、師子王のごとくあっていただきたいのであります。
 いま経済界の評論家である三鬼さんという人が「社長への直訴状」という本を書いて評判になっている。どんな人であっても成長し、偉くなってくると、慢心を起こすものです。増上慢になり思いあがってしまう。おごりたかぶっていくものです。これも人間とし、凡夫としてやむをえないひとつの状態です。
 私どもも、これだけの大組織をもった幹部として、将来、心していかねばならないのです。だが、私はいいたい。書くほうも言論の自由だから、いいだろう。いわれるほうも、なにかあるからやむをえないだろう。ちょっとぐらい書かれて、すぐにおとなげなく、なにやかや反駁するなどということはみっともない。このように私は思っておりました。
 創価学会が、いままでなにも悪いことをしていないのに、どれほどの迫害と、言論の弾圧とをうけてきたか。いうほうは身勝手なことがいえるものです。それを思うならば、いまの財界人などというものが批判されていることなどは、わが学会の千万分の一である。とうぜん悪いことをやっていることだから、いい薬であるかもしれない。
3  そこで私は申し下げたいのです。だれびとたりとも、一瞬も、どんな立場にあっても、謙虚に、そして栄えていく道は、なにによってできうるか。それは、信心の二字しかできないのです。
 日蓮大聖哲にしたがい、そして信心を原動力として、一日一日、自分の幸福のため、一家のため世界のため、間違いない正しい人生を生ききっていくことは、これは信心でしかできるものではない。それなくしては、万人が滅びてしまう。最後は行き詰まってしまうか、おごりたかぶってしまうものであります。
 私どもは信心があります。大聖人の教えを根本としての社会への実践になります。社会にあつても最後まで栄えゆく人生、学会内においても、最後まで幸福のまっとうできる人生。この原動力は信心しかないということを心に銘記して、この一年間、また元気いっぱいに成長し、前進していこうではありませんか。(大拍手)

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