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日蓮大聖人・池田大作

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仏法の真髄、大思想 学生部部旗授与式

1964.11.10 「会長講演集」第12巻

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1  たいへんおめでとう。私は、ただ御本尊に、真心こめて、諸君が将来、偉大なる成長をすることを願っておきました。(拍手)
 有名な、イギリスの近代思想家のベーコンは「知は力なり」と叫びきった。諸君は、しっかり勉強してもらいたい。知は力である。その力も、観念論の力でなくして、民衆救済の何千、何万、何百万人の人々をこれから指導しきる力を養ってもらいたい。真実の幸福と平和のための知の力を養う時はいまです。(拍手)
 日蓮正宗創価学会と、他の宗教教団との相違は、とうぜん、いっさいが根本的に違う。しかも、他の宗教教団は勉強させません。勉強しようと思っても、裏づけの哲学がない。もし真剣に、その宗教の本質、その教団の低い思想を探究してみれば矛盾だらけで、みんなやめてしまう。
 教祖や教団の幹部は、それを知っている。勉強さないで「信仰は学問ではない、信仰は理論ではない」とうまいトリックで、人をあやつっている。そんな哲学のない宗教、教団についていく者は、ほんとうに愚かである。ほとんどのいままでの宗教は、そういう姿が実態であります。
 したがって、知識階級や、その他から、信仰をもっている者は、力がない者か、頭が弱い者かと、バカにされてきたのもやむをえない。それに対して、ただひとつ日蓮正宗創価学会は、大哲学が、大思想がある。勉強しきっていきなさいと教えるのです。微塵も矛盾がない。かつて私の脳裏に刻みついているひとつのことばがあります。それは現在の小泉副理事長が入信当時、いまの猊下のまえの猊下、日淳猊下にお会いした時「日蓮正宗の哲学は絶対に矛盾がない」とおっしゃったそうであります。私も入信当時、日淳猊下の御授戒をたまわり、支部の関係で小泉さんからそういう話を聞いた時に、なるほどと、胸にこのことばか止まっておりました。戸田先生から法華経の講義をうけたまわり、御書の講義をうけたまわり、それで他の科学書、思想書、哲学書等々を読むと、ぜんぶ序分であり、流通分であることは、頭の悪い私であっても、はっきりつかむことができました。
2  信心して私は満十七年、十八年目にはいります。信心が進んでくればくるほど「日蓮大聖人の仏法は絶対的哲学である。なんら矛盾がない」との確証を、さらにつかんでおります。皆さん方の先輩も、みな学者です。信心根幹として、りっぱに今日まで信・行・学に励まれその証拠として、生活の上に、哲学体系の上に、人生観、社会観、政治観、宇宙観の上に、確固たる確信をにぎっておられる。
 いろいろ有名な学者等がおりますが、なんと低いことか、なんと観念的なことか、なんと知識の技術の操作だけのことか。本末転倒の世の中でありますから、なかなか真実の大哲学の指導者を認めようとしない。そんなことは、現在においては、またかまわないことです。
 きのうも南原繁さんの「国家と宗教」という論文を読みました。ほとんど宗教といえば、しょせんは、キリスト教に帰着している。また、キリスト思想から出発している。他の宗教は、ほとんど論外です。そしてまた、そうとうな学者が、世界的学者が、宗教に関する論文等を、今日までずいぶん残してきたし、論じてもきた。
 いっさい、ほとんどがキリスト思想が根底、宗教イコール・キリスト教といわれるぐらいです。たまに日本においても三木さんや西田さんや、その他、仏法的なことを論じている学者もおります。鈴木大拙などもそうであります。しかし真実の仏法の真髄に対しては一歩もまだふれていないのです。
3  仏法といっても、釈迦仏法と日蓮大聖人様の仏法とは根本的に違う。宗教といっても、いっさいの宗教は低い、時代不相応である。現代の世には通用しない。むしろ害毒になってしまっている。
 末法万年尽未来際の、人類の大仏法は、三大秘法の御本尊様しかない。日蓮大聖人様の生命哲学しか絶対にないとのおおせなのです。ですから、いままでの宗教観、仏法観と、日蓮正宗の大仏法とのこの相違は、本源的なものである。いままでの先入観念で、日蓮正宗創価学会を測ることはできないのです。
 これからは、この大聖人の大生命哲学を根幹として、いっさいの智の源泉である妙法を受持して、おのおのの立ち場で、学問をみがいて、序分、流通分とし、かつは、その知識をいっさい顕現しきれる価値創造の力にしていく、応用しきっていく、その妙法の若き学徒になってもらいたい。それが学生部の使命であります。(拍手)
 したがって、信心根幹にうんと勉強し、実践していただきたい。きょう集まった諸君の中から、何人もの世界的な大政治家も、学会の跡継ぎも、社会の学者も、そしてまた指導者が等が、ぞくぞくと出ることを期待いたします。諸君のご健闘とご健康をお祈りしまして私の祝辞といたします。(拍手)

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