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日蓮大聖人・池田大作

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弟子が連合達成 北海道第一・第二本部合同大幹部会

1964.9.18 「会長講演集」第12巻

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1  たいへんにご苦労さまでございます。待望の北海道の新本部が十二月には落成されます。新本部落成と同時に、いな、きょうから、つぎの十年間の目標に向かって、北海道の第二期の前進と決意して、団結して前進していただきたいのであります。
 一念三千、これは日蓮大聖人様の仏法の真髄です。第二期の北海道の布陣をめざし、よし十年間を目標にして、また、王仏冥合のために、人間革命のために、不幸な人々の救済のために立ち上がっていこう、という一念が御本尊につうずるならば、自分自身も大きく境涯が開けます。一家の革命も大きくなされるし、商売の上にあっても、現実の証拠として、大きく繁栄されなくてはなりません。これ一念三千です。
 いま学会は、本門の時代にはいったということを自覚し、「本門の時代」をあいことばとして前進しております。まさしく北海道にとって、いよいよ本門の時代であるという実感と、また真実の北海道の春がやってきたという確信をもっていただきたいのであります。
 ということは、皆さん方が、さらにさらに功徳をうけていくべきときであり、北海道の同志の方々が、さらにさらに幸福になっていくことにつうじなくてはならない。こんごも、忍耐づよい、地道ではあるけれども、楽しい折伏戦に、広宣流布の法戦に、先駆をきってがんばっていっていただきたいことを期待いたします。
 それで、本来ならば稚内方面にも、おじゃまする予定でありましたが、時間その他の関係で行くことができず、昨日、旭川の会館入仏式に含めて終了させていただきました。それにさきほど副理事長会をいたしまして、稚内にも会館を早急に造ってさしあげたい。このように決定いたしました。(拍手)
2  どうか、お帰りになったならば、稚内の支部員の方々に、くれぐれもよろしくお伝えになってください。詳細につきましては、ぜんぶ本部員がわきまえております。さらに、いちおうは留萌と思いましたが、本部長ともいろいろ協議の結果、地理的条件等の上から滝川に会館を造ることに決定いたしました。(拍手)
 また、北海道から、総本山等に登山する場合においては、釧路とか、または函館とか、青森もいま会館の建設が進められております。そういう拠点に、できるだけ皆さん方が、費用がかからないように、本部からもふとんもさしあげて、寝泊まりができるように体制を整えることにいたしました。
 話は別になりますが、この大幹部会の席をお借りしまして、七月の特別財務のことについて今月の末の本部幹部会に理事室から発表する予定になっておりましたが、私からきょう申し上げておきたいのです。たいへんに皆さん方の協力を得まして感謝しております。
 合計三億円になりました。その特別財務は、東京の本部周辺の土地を、そうとう広く購入しておきたい考えと、それから地方会館の設立に充てたい等の理事室の協議の上からなされたことでありましたが、じつをいいますと、最近、総本山周辺の土地がブローカーの暗躍などによって、ひじょうに高騰しているのです。坪千円か二千円だったのが、二万円にもなっているのです。早く手を打たなければならなくなりました。
 そこで、とりあえず特別財務のほうの二億円で、総本山ならびに天母山周辺の土地を数万坪を先日購入し、登記も完了して、そちらのほうに御供養することにしました。
 引きつづいて、総本山周辺土地購入資金として、あと残った一億円と、さらに本部で出版等で蓄積しました一億五千万円、合計二億五千万円を総本山・日達上人猊下にいっさい御供養することに、副理事長会議で決定しました。
 したがって、本部の近くの土地ならびに会館等においては、特別財務費は一銭も使わないで私ども最高幹部でいろいろとくふうして、完成するようにいたしました。その点、どうかご了承ください。
3  このように総本山にいっさい御供養申し上げましたから、功徳は、皆さん方にあるわけですから、支部員の方々にもくれぐれもよろしくお伝えしていただきたいと思います。
 それで十月の財務等におきましても、特別財務もございましたから、もしか、たいへんな人がいたならば出す必要はございません。その点も間違わないように、指導していただきたいと思います。
 それで、特別財務のことにつきましては、将来、三年に一遍か五年に一遍ぐらいは、そういうことがあるかもしれないということを決めておきたいと思うのですが、どうでしょうか。(拍手)あるかもしれません。ないかもしれません。できるかぎり、ないようにいたしますし、そういうことはしたくないのです。けれども、将来どういうことになるかもしれませんから、その点はお含みおき願いたいのです。
 当分のあいだはもういたしません。
 それから、総本山の六壺のほうは、一億五千万円ほどでいま着々と建設が進んでおります。それに周辺等のいっさいの設備、また、庭園を含めて一億五千万円かかると思います。それから、この六壺は来年初春にできあがります。りっぱなものであります。
 それから、総門の付近に建てる予定の総坊、これも設計にいまかかっておりまして、もうじき設計が完了します。鉄筋三階でモダンな建て物であります。皆さん方がゆっくり休めるように、便利な宿舎として、最高にりっぱに造っておく予定でありますが、一むね四億五千万円かかります。とりあえず一むねとします。
 最初の予定では、一むね一億五千万円で六むね造るつもりでした。それが一むね四億五千万円かかるのでは、とてもいっぺんにはできない。一生懸命働いて、なんとか、完成したいと思っていますが、中間報告をしておきます。(拍手)
 いずれにしても特別御供養のほうも、ぜんぶ本山に御供養してしまいました。いつさいがっさい総本山に御供養いたしました。
 日蓮大聖人様の御書を拝しますと、師弟不二について「師匠は針のごとし、弟子は糸のごとし」とのおことばがあります。大御本尊様が師匠です。そして、私どもは弟子であります。また、戸田先生は折伏の大師匠であります。現実においては、私どもは戸田先生の弟子であります。
 したがって、師匠は針です。針にきちんと糸がついて、ふとんを縫うにも、着物を縫うにもその通りに進んでいって、結果として、いちばん価値があるというか、現実に証拠を残すのは、弟子の立ち場になるわけです。針は最後には抜けてしまう。糸で完全なる仕上げができるのです。
4  いま御本尊様のもとに、また、学会においては、大師匠戸田先生の弟子として、おのおのの立ち場で、おのおのの社会で広宣流布のために身にあまった、りっぱな糸として、その価値を後世に残していただきたい。(拍手)
 牧口先生が、かの太平洋戦争の時に軍部の弾圧によって牢獄に入れられた。その時に戸田先生もお供して二年間の牢生活をなされた。戸田先生が牢から出られて、牧口先生は私に最大なる福運をつけてくれた。牢まで二年間お供させてくださったと申されました。針と糸との関係であります。
 日蓮大聖人の仏法を身・口・意の三業で読みきられた尊い、確信あふれる指導であります。いま私どもは、大聖人様のおおせどおりの戦いであります。戸田先生の指導どおりの実践であります。なんで結末がよくないわけがありましょうか。
 また反対に、しいていうならば、たとえ師匠が地獄へ落ちてもお供をするというのが弟子の道です。信心です。最高幹部である私どもは、日蓮大聖人様のおおせどおり、勇躍歓喜して広宣流布のためにおのおのの立ち場でがんばろうではありませんか。また、戸田先生の弟子として、戸田先生の残された偉業を、遺言を達成しきっていこうではありませんか。(拍手)この実践をしていくところに、自分として最高の価値を獲得することができるし、福運を積むことができるのです。
 このことを忘れないで、こんごも仏法の真髄の精神を失わないで、十年間、あらゆる三障四魔、三類の強敵に向かって、莞爾として「私さえいれば北海道は心配ない」「われわれ最高幹部さえいれば、北海道だけは心配かけない」「北海道の広宣流布だけは引き受けた」「北海道の守りは引き受けた」というるひとりひとりになっていただきたいのであります。(拍手)
 また、つぎに申し上げたいことは、細かい問題になりますが、学会は支部長を決める場合でも、婦人部長を任命する場合でも、地区部長または地区担当員を決める場合でも、ひじょうに慎重です。人事はもっとも大事です。私が会長になってすぐ最高幹部に申し上げたことは、いっさいの団体で、もっとも失敗する根本原因は金と人事である。この二つだけは厳格にしていきたいと、こういってまいりました。
 今日でもその決心です。生涯その決心であります。
5  それで、幹部を決める場合も、解任する場合も、きちんと面接して、あらゆる点から総合的に判断して、いろいろな人の意見も聞き、その人の実績、過去もよく調べて、この人ならば指導者として後輩の人が心配ない、その上から決定しております。
 学会は、なんでも命令的にやっているようによくとられますが、そんなことはけっしてありません。結果的にそういうような姿に見えますけれども、そこまでいくあいだには、話し合い、何回も何回も検討しあった上の、それこそ民主主義の最高の行き方であります。
 いま、皆さん方にお願いしたいことは、一組長を決める場合でも、一組担さんを決める場合でも、小ブロック長、小ブロック担をきめる場合でも、よく面接をし、そして話し合っていただいて、支部または総支部の発表のまえに、懇談的にひとこと申し上げておく。このことを忘れないでいただきたいと思うのです。(拍手)
 解任の場合も同じです。解任の場合、それは反逆して退転する場合はしようがありませんがかまわず幹部会の時、上からいきなり発表になることはちょっと本人もめんくらう場合がある。さきに予備的に話し合ってあげる、そのことをお願いしたいのです。
 人間の心理は微妙ですから、そういう機微についても、よくわきまえて、明朗な、快活な、楽しい地区や班や組をつくるために、上に立つ指導者の人が心得ていかなければならない点であると思うのです。 話はまたぜんぜん変わりますが、いま理事長から話されたことを、私も根本的に話したかったのです。ということは、信心は一生なのです。何回も何回も聞くことばではあるけれども、「受くるは・やすく持つはかたし・さる間・成仏は持つにあり」「此経難持」(法華経四一九㌻)すなわち一生涯、御本尊をたもちきっていくことです。
 ですから、具体的には一生涯、王仏冥合へ向かっての前進をしきっていく、仏道修行しきっていくということ以外に信心はありません。成仏もありえない。ちょっとした感情、また、解任になったからもう信心はやめた。そんな根性だから、功徳は出ないのです。
6  いままでも何人かの人が北海道でも倒れました。いろいろなふうに分析してみれば、みんな信心がないのです。学会利用なのです。また、慢心です。この三つです。私どもは、後輩から笑われないように、信心をまっとうしていきたいのでと思うのです。
 ということは、どうすればよいか。それは強い信心しかない。では、強い信心はどうすればよいか。題目をたくさんあげることです。題目をあげきっていけば、しぜんにわかってきます。よく自分が学会利用したり、それから金銭貸借をしたり、そして、おおぜいの人に迷惑をかけ、信頼をなくして、解任になった。
 そうしたら、こんどは学会の悪口をいい、批判する。自分が悪いのです。それで批判したり反感をもっている。私には考えられないことです。そういう人になっては損です。それ自体もう地獄です。それは第三者から見れば「あそこまでがんばってきたのに解任になった。ずいぶん学会はひどいではないか」と思うかもしれない。
 しかし、じっさいに、そのいきさつを考えてみれば、どこから見ても本人が悪い。そう思うでしょう。
 信心がないのです。将来、長いいくさでありますから、信心強盛に指揮をとっていっていただきたい。皆さん方が二の舞にならないように、気をつけていただきたいのです。ちょっとのしんぼうです。ちょっとの宿命打開の決心をして、題目をあげきってしまえば、あとはとても楽になるのです。すぐに人を利用したり、学会を利用したりして落ちていく。こういう人は、かわいそうな人であります。
 ちょっとがまんすれば、皆さん方の一生涯の基盤、子供までの基盤が築けます。
 少しがまんして信心のことだけまじめにやらなければ損です。ひとりも私は倒したくない。こんどは皆さん方も後輩に対しては、真心こめてその人のことを思って指導してください。自分の感情や自分の偉さや、自分の面子を考えて、後輩の人をしかったり、またはそのような気持ちの訓練や、指導であってはならない。
 間違いのないように、うんと福運をつけさせてあげたい。正しい信心をさせてあげたい。学会の本流を知らせてあげたいと努力してください。ほんとうにいままで戦ってきた人で、倒れている方に対しては心配しているのです。
7  皆さん方は、どうかひとつ、結束をさらに固めて、みんな北海道のあるかぎり、この土地には魂魄がとどまっているのですから、歴史に残っていくのですから、栄光ある活躍をしていただきたい。着実に前進していただきたい。このことを祈るような気持ちで申し上げておきます。
 また、おじゃまいたしますから、きょう集まった大幹部の人たちが、ひとりも残らず最後の最後の最後まで、死ぬまで、その変わらぬ気持ちで私とともにがんばってください。

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