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日蓮大聖人・池田大作

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時代は人材を要求 第12回男子部総会

1963.12.15 「会長講演集」第10巻

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1  この一年間、あらゆる激戦をいたし、そして、勝利に導いてくださった源泉であるわが男子部の諸君に対し、心より敬意を表するものでございます。ありがとうございました。(拍手)
 来年もまた私とともにつらいことも、苦しいいくさもあるかもしれませんが、王仏冥合達成への一コマとして、苦楽をともにして前進されんことを、心から切望するしだいでございます。お願いいたします。(拍手)
 いちじ、天理教は三百万人といわれました。また立正佼成会も三百万人と豪語しておりました。そしてまた念仏は五百万人といわれてまいりました。しかし現状においては、夕日のごとく、衰亡の一途をたどっております。彼らは仏に弓をひき、金をもうけ、民衆を地獄へ落としたがゆえに、日蓮大聖人様の仏意仏勅をこうむって立ち上がった日蓮正宗創価学会の前進によって、打ち破られつつあります。
 現在、わが創価学会は、すなわち日蓮大聖人様のまことの弟子は約四百万世帯です。彼らのいう数字はこのあいだ選挙でわかるごとく、ぜんぶ豪語している十分の一以下であります。学会の場合には、選挙で票数がはっきりするわけです。ウソはつけません。つく必要もありません。
 すなわち、もっとも仏法に縁の深い日本の国にあって、正しい仏法が、教・機・時・国・教法流布の先後の大聖人様の方程式どおりに、いま末法の大仏法によって救われた民衆が四百万世帯、そしてまた一千万人以上になったというこの事実に対し、御本仏日蓮大聖人、日興上人、日目上人、そして遺使還告であられる日達上人猊下のお喜びは、いかばかりであるかと、私は信ずるのであります。(拍手)
 また大聖人様が喜んでくださるその証拠として、私ども大御本尊様をたもった地涌の菩薩ひとりひとりが、物心ともにしあわせになりきっていかねばなりません。
 いま諸君のなかでも、まだ宿命と戦っている人もたくさんあると思いますが、ひとりももれなく、大聖人様から、そして大御本尊様から「ほんとうにしあわせになったな」と、このようにいわれるような証拠をつくっていこうではありませんか。(拍手)
2  私は王仏冥合達成のためにも、広宣流布のためにも、諸君をひとりも犠牲にいたしません。犠牲になってもいけません。持ち味、持ち味を生かしておのおのの境遇で大御本尊様に照らされて、有意義なる一生を生ききっていただきたいと思います。
 そしてまた、社会の指導者になっていただきたい。自分自身も一生を終わったときに「ほんとうに楽しい有意義な一生であった。価値創造もたくさんした。世のため、人のため、令法久住のためにも一生懸命に自分は働いて、ほんとうに楽しかった」と全員がいわれるような闘争をしおわっていこうではありませんか。(拍手)
 また、政治面からみても、さきほどからたびたび話がありますが、昨年の参議院選挙の得票数は自民党が一千数百万票前後であったと思います。第二党である社会党も一千万票前後、公政連の票は数百万票でありましたが、もう一年過ぎてそうとう進んでいることは事実でありますか、政治面においては、日本の国も“三国志”になりました。
 いままでの保守、革新が両方とも保守になってしまう、そういう、新しい思想、新しい時代は刻々とやってきているのです。到来しているという確信でありますが、相対的に三国志として戦っていくのではなくして、保守派の人にも、また革新派の人にも、大聖人様の大生命哲学を根底として大包含力をもって、大所高所より、まず日本の民衆の幸福、日本の国の平和のためにしっかりとわれわれが団結して戦い勝とうではありませんか。(拍手)
3  恩師戸田先生がなくなる寸前に残された私に対することばの一つは「追撃の手をゆるめるな」とのおおせでありました。勝っておごらず、そしてまたたゆまず、私どもは水のごとき信心を貫きとおし、世間の人人からは尊敬され、慕われ、信頼される若き指導者に育って、王仏冥合達成まではどこまでもどこまでも追撃の手をゆるめず、そしてまた個人の成長のため、大勝利のためにも追撃の手をゆるめず、前進しきっていこうではありませんか。
 青年部も百万人を達成したと聞きました。恩師がおられたならば、いかばかりか喜んでくださることかと、さほどから思っておりました。私は力は弱い会長であり、諸君に対して申しわけない気持ちであります。だが、私は私として、ただ創価学会の前途、そしてまた王仏冥合をめざして、諸君が成長しきるまでは、歯をくいしばって、毅然と道を開ききっていかなくてはならない。「道を開いていこう」と、こういう気持ちで真剣であります。あとは諸君の成長だけを待っております。
 願わくは青年部もまだまだ、これから王仏冥合の時代にはいり、成長してもらわなくてはなりません。それも、ご存知のように、この次の統一地方選挙あたりにも、いままでの二倍、三倍の人材が必要になります。政治面だけでもそうであります。その他のことをかがえるならば、いままでの十倍、百倍の人材が、この数年間にも必要になっております。だからといって背伸びをして、人材らしい姿を見せる必要もない。あわてる必要もありません。また、幹部になったからといって、あせる必要もありません。ただ、真心こめて、後輩の指導の任にあたり、自分よりも――自分が達成することは大切でありますが――自分よりもりっぱな人材を十人、二十人、十倍、百倍だしきっていこうという決意をもっていただきたいことをお願いするしだいであります。
4  青年部も、青年部長をはじめ、最高幹部はほとんど最高学府を出た人間で占められております。それはしぜんの結果でありまして、私はそのことについて、きょう、はっきり申し上げておきたいと思います。
 参謀室、そしてまた部長、部隊長の相当数が、やれ東大出である。やれ慶応出である、やれ早大出である、中大出であるというように、信心プラス学力、学歴はけっこうであります。ただし、私の根本理念は、あくまでも、学歴があろうがなかろうが、信心を根本として、そして王仏冥合のために戦いきっていける人が最高の人材であるという決心であります。ほかの大会社や官庁等において、その他日本の悪弊として、学歴尊重主義――一定の学歴がなければ出世できない、その出世のための手段の学歴――がみられますが、そういう弊害を一掃していくのが、学会の使命であります。創価学会は実力主義であります。
 したがって、多少、結果として、そういう青年部の最高幹部が最高学府出身者で占められるようなかっこうになりましたが、私はそういう気持ちではない。私自身が、最高学府は出ないできました。そして、大学を出ていない人も、たとえ小学校しか出ていない人も、中学校しか出ていない人も、また、高等学校しか出ていない人も、ぜんぶ大御本尊様のもとに平等であります。いっさいが、広宣流布のために、どれだけ、自分自身が努力し、勉強し、そして広宣流布のためにつくしたかということによって、学会ではいっさいを決定していくということを申し上げておきたいのであります。(拍手)
 大学もできうるならば、出たほうが望ましいともいえますが、あくまでも、各人の境遇において仏法を身につけることこそ、たいせつであります。
 したがって、信心根本として、学歴をもった人は、どうかそれを思う存分に生かしきってもらいたい。また、学歴がない人も真剣に勉強もしていただきたい。
 そして、仏法のうえにおいては少しでも学あるものに対しては、尊敬して道を教わっていくという、これもひとつの方程式であります。
 また、学問がある人も、いくら学問の知識が蓄積されたとしても、真の大生命哲学、大聖人様の仏法を学することはまた別問題であります。したがって、おごりたかぶることは絶対にいけません。御本尊様のもとに平等に、おたがいに尊敬しあい、守り合って、世界一の尊い友情のつながりをもったわが男子部の前進であられんことを心から切望して私の激励といたします。(拍手)
 最後に、ご多繁のところ、わざわざ総本山より御法主上人猊下のご臨席をたまわりましたことを、青年部一同にかわりまして、厚くお礼申し上げまして私のあいさつといたします。

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