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日蓮大聖人・池田大作

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師子王の心で信心貫こう 北海道第二本部結成大会

1963.11.14 「会長講演集」第10巻

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1  たいへんに本日はおめでとうございました。(拍手)
 また北海道の同志の方々、とりわけ函館の同志の方々に対し、長年、不便なこの土地で悪戦苦闘を重ねて函館の広野の広宣流布のコマを進め、大勝利への基礎をつくってくださったことに対しまして、心より敬意を表するしだいでございます。ご苦労さまでした。(拍手)
 飛行機の中で、きのうの事故のことを新聞で読みました。そしてまた、ただいま行なわれている衆議院選に対する政策や、候補者のさまざまなインタビュー等を読んでまいりました。皆、りっぱなことをいっております。皆、第一級の民衆救済の指導者のようなことを申しております。
 だが私は、口は便利なものだ、どんなことでも口ではいえる、このように思います。私どもは、いままでもずいぶんだまされてまいりました。そういうりっぱなことをいっている人が、かならずしも偉いとはいえない。実行しきるとも信じておりませんが、どうしてもこれからは、王仏冥合の大理念をひっさげた本化の地涌の菩薩がぞくぞくと現われて、この北海道の地からも何百人、何千人もの市議会議員、道議会議員、そしてまた、大政治家が立って、北海道の繁栄と、北海道の民衆のおおいなる幸福と、平和のために戦っていただきたいことを心から念願するものであります。(拍手)
2  私はとくに壮年の皆さん方に申し上げたいのです。それは長生きをしていただきたいということであります。このような日本の国から見るならば、いちおう、へんぴな土地柄です。なにやかやと不便です。そして自分の生活に対しても、もうこれ以上、発展はありえないだろうと諦観している人もいるかもしれません。
 だが、そんな根性では絶対にいけないと思います。意地をもってもらいたい。希望をもってもらいたい。長生きをしてもらいたい。信心根本に題目をあげてあげて、あげぬいて、人間革命をしきり、また依正不二であるがゆえに、その国土、世間もぜんぶ繁栄しきっていけるのだとこの決心を強めていただきたいのであります。
 日本の国のいまの指導者は何歳であるか。考えてみるならば、河上委員長も七十代です。西尾委員長も七十代、池田首相も六十代、電力の鬼といわれている松永左衛門さんだって八十代です。いまの電機界の王者である松下幸之助さんも六十代、ネールも七十代、蒋介石も七十代、またドイツの元首であったアデナウアーも八十代、フルシチョフだって六十代です。ほとんどの一流の指導者はぜんぶ六十代、七十代、八十代す。信心していない者でさえそうです。いわんや世界最高の仏法をたもつわれわれにおいておやです。御本尊様に更賜寿命を願って長生きして、世のため国のためにがんばっていただきたいのです。かの指導者は迹化の菩薩です。迹化の菩薩は南無妙法蓮華経をたもっておりません。衆生を永遠に救いきれる大仏法、大哲理をもっていないのです。
 だが人のために利益を与え、人をなんとか救おうという行為をしていますから、これは菩薩であた、与えていうならば迹化の菩薩であります。
 いま、私どもは本化の菩薩であります。南無妙法蓮華経をたもち、実践し、本源的に人々を救いきり、そしてまた、それを根本として社会の繁栄のために戦っています。すなわち王仏冥合の実践をしております。したがって、私どもは長生きをして、忍耐強く戦って、そして、近くは、皆さん方が妻に対しても、子供に対しても「大御本尊様がある。心配するな。また、わたしがいる。絶対わたしは福運があるのだし、力を御本尊様からいただいているのだから心配するな」と、このように一家和楽の柱として、当体として、一家が日々月々、楽しく、そしてまた歓喜に燃えて物心ともにしあわせになりきっていける、その大原動力になっていただきたいことを、心からお願いするものであります。(拍手)
3  どうか、題目をあげぬいていただきたい。どれほど大御本尊様の功力がすごいかということを、皆さん方が自分自身で体得していただきたいのであります。
 人にいわれたから、こういうように書いてあったからと観念的に知るのではなくして、大御本尊様に体当たりをしていただきたいのです。そして、自分自身が偉大なる体験をもち、力を自分自身の生活のなかに湧現していただきたい。それは生活のうえに、家庭のうえに反映していただきたいのであります。
 このあいだにも、あるところで「みんなこれからは自動車の一台ぐらい持とうではないか。そして会合やお山へ行ではないか」というような意味の指導をしたところ、理事長のほうへ「私のいまの教員の生活では、どうしても車を買うわけにはいかない」と、そういう指導を受けにきた人があったそうです。いまはそうかもしれません。だが、いまのままで終わるとは断定できません。題目をあげて、福運をたくさん積み、そして王仏冥合の戦いによって、社会機構の改革も必要になるでしょうし、制度の改革もできるのだし、いくらでもこれから改革がてきるのです。
 そのときに理事長は「総理大臣と同じぐらい給料をもらうようにがんばろうではないか、これが王仏冥合ではないか」と、このように指導したと報告を受けて、私もひじょうに喜んだのです。「夢に見たよい社会」これが公政連で歌っている歌です。また王仏冥合の平和郷、理想郷です。絶対にそういう生活ができる、そういう生活かをしてみせるという戦いをしきっていこうではありませんか。(拍手)
 あまりにも貧乏で育った封建的な流れをくんだ日本人は、卑屈になり、そてまた臆病になっているのです。したがって、遠慮がちになっております。そんなことがあってはなりません。大宇宙に遍満している大功徳を、ぜんぶ自分はもらうのだと。
 大聖人様も仏法のうえからみるらば「日蓮は世間には日本第一の貧しき者なれども仏法を以て論ずれば一閻浮提第一の富る者なり」とおおせです。世法のうえからみるならば「貧しき身」である、だが仏法より論ずるならば「一閻浮提第一の富める者なり」と、このようにおおせです。それは大聖人様は仏さまでいらっしゃいますから、世間のうえで金持ちになろうとか、裕福な暮らしをしようなどということはあるはずがございません。
 だが、そのご境涯は宇宙第一に富める者であるとのおおせでございます。というこことは、この大聖人様、即御本尊様を私どもは受持しているわけでありますし、信心は生活の原理であり源泉ですから、その大御本尊様を、大聖人様を信心し、受持している私どもは、生活のうえで九界のうえで日本一、世界一、宇宙第一に富める証拠が出ないわけが絶対にないと、私は訴えたいのであります。(拍手)
 確信をもって、いまの境涯を、かならず二年、三年、十年、二十年を目標にして打開しきってみせる、この意気でがんばりましょう。(拍手)
4  今度は奥さん方に申し上げたいのです。主人がどこまでも、どこまでも広宣流布のために、そしてまた、職場でがんばりきれるためにも、奥さん方の力が大事であるということです。大聖人様も男は足、女は身、男は矢のごとし、女は弓のごとしとおおせです。女の人の信心によって男の人はどうでも左右できるといっても過言ではありません。太平洋戦争のときに、軍部に反対して真っ向から戦った創価学会は弾圧を受けました。そのときに牧口先生、戸田先生をはじめ、同志が何十人か牢獄にはいりました。そのときに真っ先に退転したのが、その幹部の夫人と聞いております。恐ろしいことです。
 また、先日もある幹部が除名になりました。自分自身の虚栄のために、主人を動かして、地区部長やなにかから金を借りて、自分が車に乗りたかったり、洋服を買いたいので、それで大勢の人に迷惑をかけました。こういう話を聞き、りつぜんとしました。ここにはそういう人はいません。(笑い)ほかの話ですけれども、恐ろしいものは女性であります。主人がりっぱに成長できるように、第一線で公私ともに戦いきれるように、しっかり信心第一で励ましあっていっていただきたいことをお願いしたいのです。
 夫がよくなるのにも、子供がよくなるのにも、大事なのは奥さんです。その奥さんが根性曲がりになり、鬼子母神にな、十羅刹女になった場合には、主人もかわいそう、子供もかわいそう、また地区の人々もかわいそうです。
 どうか、主人が少しぐらい退転しかかったり、ま学会精神に反するようなことがあったとしても、奥さんが毅然として「あなた、それでいいのですか」(笑い)とこういえば、主人のほうも、「すみまさん」とあやまります。(笑い)
 そうさせるのもさせないのも奥さんです。一家の幸福、平和の源泉、信心の源泉は奥さんにあると、こういう自覚をもっていただきたいと思います。そして、はでになったり、見えをはったりしないで、いざという場合は、ご主人に、「きちんとお山へ行くお金はとっておきましたよ」と、また本部に集合する場合などに、主人にお金が一銭もないそのときに「きちんと私が用意しておきました」といえるようになっていただきたいと思います。へたにいうとそれをあてにしてしまいますから、(笑い)、きちんとしまっておくのです。
 山内一豊の妻のように、そさは封建的なたとえでいうのではなくして、近代女性として、広宣流布に活躍する女性として、一家を守り、主人を守るという意味の例として申し上げるわけであります。へそくりもきちんとして、それで清楚であり、信心は強盛であり、そして、やきもちをやきあったり、怨嫉をしあったりしないで、たんたんとして、のびのびして一家を守っていく、そしてまた、一家を守りつつ、不幸な女性の人人を励ましていく、そういう地涌の菩薩になっていただきたい。
 世界第一のしあわせな一家の源泉となる近代女性になっていただきたい。それをお願いするものであります。(拍手)
5  釈迦も、天台も、伝教大師も、そしてまた末法の御本仏である日蓮大聖人様もご在世当時は皆、迫害を受けてまいりました。誹謗されてまいりました。とくに大聖人様は御本仏でいらっしゃるがゆえに、悪世末法にご出現の仏さまでありますゆえに、その難は、一重、二重たちいって大きい難でございます。
 仏であってもそうであります。また、いままでの日本の歴史だけをみましても、先覚者はぜんぶ迫害を受けております。吉田松陰しかり、福沢諭吉しかり、そのように難を受けるのはとうぜんであります。軍国主義はなやかなりしとき、自由民権の戦いをした、その思想の持ち主も、皆、牢へはいり迫害を受けております。
 いま創価学会に対し、さまざまな批判や迫害がありましたし、これからもあるでしょう。また、学会の議員の方々に対しても、さまざまの迫害をし誹謗し、バカにする人もありました。いまも多少はあります。これからもあるでしょう。
 だが、わが創価学会は、先覚者です。世間も学会の再建当時から今日にいたるまで、ずいぶん変わって、いまは認識をしかけてまいりました。十年たち二十年たったとき、かならず創価学会に対し、そしてまた公明会の議員に対し、心から感謝し、信頼する日がくるということを私は断言しておきたいのであります。(拍手)
 民衆が心から賛同してくる日も近いでしょう。また歴史が証明します。
 どうか目先のことに、縁に紛動されず、一年や二年の闘争と思わないで、短兵急にあせった心でなくして、十年、二十年、三十年先を夢みながら、絶対の確信をもって師子王の悠々と歩んでいくその心意気をもって、進軍しきっていこうではありませんか。(拍手)
 最後に、大事なことは、開目抄にいわく「つたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」と。大事なときに信心を忘れるのが、すなわちわれわれのならいであります。大聖人様は「大事なときこそ御本尊様を忘れてはならない。題目をあげるのだ」と、このようにおおせでございます。そのときこそ「大悪をこれば大善きたる」とおおせのように、変毒為薬、宿命転換ができるのです。それを忘れないでいただきたい。また佐渡御書におおせのように、三障四魔と戦う、三類の強敵と戦う、大事な王仏冥合の戦い、そのときこそ「師子王の如くなる心をもてる者必ず仏になるべし」と。大事なときに師子王の心を出して、自分の責任をまっとうしよう。このときこそ自分がはせさんじて戦おう。こういう心をもった人が仏になれると、このようにおおせでございます。
 どうか、その御金言だけは忘れないで、私とともに、また苦楽をともにしていただきたいことを心からお願い申し上げ、私の話といたします。(拍手)

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