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民衆の真の代表に 公明会仙台大会

1963.3.23 「会長講演集」第9巻

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1  本日は、公明会の仙台大会、まことにおめでとうございました。
 公明会の議員の先生方のお話を聞いておりますと、名実ともに、もう総理大臣以上であるような気がしますけれども、どうでしょうか。
 初めは、やれ「宗教団体から出た議員になにができるか」「しろうと議員になにが政治のことがわかるか」と、このように批判をされてまいりましたが、現在にいたっては多数の一流新聞記者も「たいしたものだ」「見そこなっていた」と大きい期待をかけつつあります。また心ある評論家、学者等も「これは成長するであろう。たしかに期待をかけて成長させていかねばならない」と、このように思っている人があるそうであります。
 詮ずるところは、私は民主主義の時代にあって、たとえいかなる批判があろうとも、強い信念をおもちいただいて、いっさい私ども選挙人が、私ども庶民、民衆の英知、知恵、自覚がいっさいの政治家を、政党を、会派を決定していくということを心に銘じていただいて、のびのびと、私どもの代表として戦っていただきたいことを心から祈るものであります。
 昨日は、公明会札幌大会にまいりました。また九州のほうへ行き、横浜へ行き、川口のほうへ行き、また仙台のほうへまいりましたが、どこへ行っても、このたびの地方選挙の事前運動ははなばなしい。「何々連絡事務所」とか「何々事務所」だとか、また電柱には、あらゆる党派の、あらゆる議員の宣伝ビラがはられております。ほとんどか違反をしております。
 なぜ取り締まらないのか。きのう、きょうの新聞によりますと、「前回の選挙の、もうすでに三倍の検挙である。悪質な買収がおびただしい」このように報道されております。これに対して、公政連ならびに公明会のビラが、日本全国のどこにはられていますか。いままでも、ずっと啓蒙するたびに、まじめなあまりに、選挙をやって戸別訪問で大騒ぎをされたことがありますが、そんなことは微々たることであります。
2  私どもは、そのような政治の母体である、まず選挙においても、いまだかつてない公明選挙を旗印に、全民衆が、なるほど公明会のありかたが、また公政連の選挙のありかたが、絶対正しいというまで、先駆を切って選挙戦に進んでいこうではありませんか。
 公明会の先生方が独自の立場で、ぜんぶ日本の民衆の幸福のためを思って、私どもの代表として、私どものことだけを考えるそんな小さい考えではなくして、全庶民のひとりも残らず、恩恵を受けるような会派になっていただくことはとうぜんでありますが、その主義、主張、政策を達成するためには、あらゆる苦難と戦ってがんばりきっていただきたいわけでありますが、現実の問題として、ある場合には混乱を招いてはならないし、議会政治をストップさせては民衆が困りますから、自民党と協調すべき時も、私はとうぜんであると思います。また、ある場合には社会党と協調する場合もとうぜんであると思います。
 いずれにしても、あくまでも超党派的でいっさいが名実ともに日本の国の柱となって、私どもが長年待ち望んだ、民衆が待ちこがれた、その会派になっていただき、またそういう大政治家になっていただくことを望もうではありませんか。
3  そして、私も選挙民のひとりとして、ひじょうに厳正公平に評論をするのです。
 私どもは政治を監視すべき権利もあれば、義務もあります。それはとうぜん、公明会の議員の方々が視察に行き、または座談会をやり、帰られて皆さん方のご期待にそうために、夜中の二時、三時半まで研究していることも知っております。涙ぐましい闘争をしていることは、私がいちばんよく知っております。
 また、いままでの既成政党においては「政治は十八世紀である」といわれております。暗黒時代です。政治の戦国時代なのです。もっともっと政治がよくなれば、何倍、何十倍も日本の国の繁栄があり、国民の福祉が増進できうることはそれは一目瞭然なのです。
 したがって、政党を監視することもとうぜんであり、悪い政治家を監視することも、私どもはしなくてはならない。同じように、公明会、公政連の議員さんに対しても絶対これは監視しなくてはならない。だが、いままでの既成政党ならびに政治家の実態は、もう私どもは飽きるほど知悉しております。公明会の先生方はこれからです。
 「千里の道も一歩より」これから一生懸命努力し、皆さん方の期待にそうように戦っているわけでありますから、十年、二十年先まで冷静にみていただき、そして私どもの納得のできる、期待をかけてたしかに間違いなかった、他の政党や議員ではやっぱりだめだった、違っている、これこそ偉い政治家とか、有名な政治家といわれて顔を売っているようなものではなくして、正しい民衆の代表の政治家であるということを、見届けるところまでは、絶大なるご協力とご支援をしていただきたいと思うのであります。
4  もしか期待にはずれたならばやめてもらいましょう。また、皆さん方が立ってください。私も応援します。公明会、公政連の応援については、いまは三百三十万世帯です。まあ海外をのぞけば実質的に、最低にみて三百万世帯としても、そのお子さん方が、おとうさん、おかあさんのおかげでだんだん成長します。たしかに民衆の先駆者として、またお子さん方がそれを受け継いでいけば、十年先、二十年先には、自然のうちに成年になる、選挙権をもつお子さん方が、何倍、何十倍と自然増加します。
 だから公明会の先生方や、公政連の先生方に対しては安心して、もう選挙のことなんか心配いらないから、国会議事堂で、また議政壇上で思う存分、獅子奮迅のふるまいをしていただこうではありませんか。
 最後に、王仏冥合の精神、理念が公明会の精神であります。理念であります。現在においては、やれ祭政一致と似ているとか、なにやかや無認識の評価をしておりますが、実際上、まだわからない場合が多いのです。個人の幸福と社会の繁栄、慈悲を根底とした大生命哲学を根底とした政治、これは心ある人であれば、だれびとも欲求している政治であり、理念であります。
 いまは、わからない人が多いかもしれませんが、私は十年先、二十年先に、たしかにこの理念が、この精神が全日本民衆の待っていた理念であり、政治であるといわれ、大賛同をもって迎えられる日が、かならずくるということを申し上げて私のあいさつといたします。

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