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新しい政治を期待 公明会横浜大会

1963.3.7 「会長講演集」第9巻

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1  皆さん、こんばんは。本日は公明会の横浜大会、まことにおめでとうございました。
 この会場へくるので、原島先生に「私は政治家ではありませんので、政策をいうわけにもいきませんし、また場所が違いますから信心の話をするわけにもいかないし、困ったものです。遠慮しましょう」と申し上げましたところ「公明会の後援者ではないですか。どうしてもいらっしゃい」といわれましたもので、まいったわけでございますから、ひとつ、よろしくお願いします。
 東京から車でこっちへまいりましたが、途中、あらゆる電柱にビラをはって、自民党の国会報告会、または社会党の何々大会、このように宣伝をされております。
 本来、電柱にはビラをはってはならない。美化運動をもっとも責任をもってなすべき政治家が、一生懸命違反をしているのです。
 それはともかくとして、私はいままでも、ラジオでもテレビでも、新聞でも選挙の時でも、たくさんの政治家のりっぱな話を聞いてまいりました。政策も聞いてまいりました。ここへ到着して、公明会の大会であると、同じようにりっぱな話であろう、口ほど重宝なものはありませんから、政治家が変な話をするわけはありません。なぜかならば、票が減ってしまうからです。
 私は第一にも第二にも、いままでの大衆、庶民は、どちらかといえば長い物に巻かれて、政治に対して無気力であり、また政治を監視しきるだけの力をもっていなかった、ともいえる一面があると考えておりました。しかし、新しい時代にはいり、私どもは政治意識を高揚させて、自民党も社会党も共産党も、そして民社党も、公政連も公明会も、ぜんぶ監視しきっていける大衆運動をしていこうではありませんか。
 公明会の先生方の奮闘は私もよく知っております。願わくは、私どもが待ちに待った、りっぱな力ある政治家として育っていただいて、既成政党や既成政治家ではない、新しい政治家として、民衆の要望にこたえて、絶対に話なんかヘタでもかまわないから、うまい政策はいわなくてもかまわないから、現実の証拠として、絶対に論より証拠の、私どもの願っている証拠をば、たくさんつくっていただきたいことを切望しようではありませんか。
 新聞、雑誌等でみ、そしてまた、聞くところによりますと、この地の市長選挙の泥じあい、河野派と藤山派との葛藤が報じられております。なんのための市長選挙であるか。民衆を、市民をないがしろにして、あくまでも権力の座におさまって、わがままをしてきたというような、与党のその無責任な態度をみるにつけ、利用されている私どもは、あまりにも不幸であり、悲惨な姿であると感じます。そしてこの土地の市長選挙のみならず、いずれの選挙でも同じようなことが繰り返されております。
 私は公明会の十五人の先生方に、どうか、わがままな権力者、そしてまた横暴な野心のある権力者、ともに気違いのような権力者を、火の玉となって監視していただき、私ども市民の味方となって、勇敢に民主政治の先駆を切っていただきたいことを切望するものであります。
 政治は協調であり、妥協であることはとうぜんであります。公明会の使命として、所期の目的を達成する段階において、とうぜん、あるときは自民党と協調せざるをえないときもあるでしょう。また社会党と手を結ばなければならないような政策もあるかもしれません。そういうことについては、ぜんぶ私どもは、なんの気兼ねもなく、堂々と大所高所から考えて、全日本民衆のために幸福を願ったうえに戦っていただこうではありませんか。
 そして、公明会の目的達成のために、願わくは、後輩がたくさん、何十人、何百人あとにつづくこともとうぜんであると思いますが、十五人の先生方は団結して、最後の目的達成のために「千里の道も一歩より」十五人で一年、二年ではできないこともたくさんあることは、私は現実のうえからとうぜんであると思いますが、後輩のため、目的達成のために、りっぱにその石段となって、階段となっていただこうではありませんか。
 公明会の先生方、ならびに公政連のご健闘と活動を心からお祈り申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。

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