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地球民族主義で前進 2月度男子部幹部会

1963.2.1 「会長講演集」第9巻

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1  皆さん、こんばんは。
 いちばん最後になってしまうと、もう話をすることがなくなってしまうのですが、まず、くどいようでありますが、一月度の地区総会において、寒いところを、ぜんぶ青年部の皆さん方が推進をしてくださったことに対して、心からころ苦労さまでありましたと申し上げます。
 広宣流布への旅路は、長い長い前進に前進をかさねていく闘争であります。また、私どもや皆さんも、ともに、長いこれからの人生であります。願わくは、けっしてあせることなく、人間完成、人間革命に、信心第一に、たゆまず進んでいっていただきたいことを、心から念願するものであります。
 さきほど渡部君、それから石田男子部長、そして青年部長の秋谷君と、きょうは、ひじょうに大きい話をしておりました。それにひきつづいて私もつられて大きい話になるみたいですが、二、三、感じたままを申し上げます。
 今回第五回目の海外旅行を終了することができましたが、しみじみ痛感することは、あまりにも地球が狭くなっているという現実です。これからの指導者は、過去の世界観をもった指導者であってはならない。これからの政治家でも、あらゆる指導階層は、宇宙開発時代の、その新しい世界観、宇宙観をもっての指導理念でなければたいへんであるなと、こういうふうに、まず思うわけです。
 これはいつのことになるかはしれませんが、民族性、伝統、風俗と、あらゆる難点があり、ひじょうにむずかしい問題であることはとうぜんでありますが、だんだんと世界連邦になっていくことも必然であろうし、ともに私は、恩師戸田先生がいい残されていった、わが日蓮正宗創価学会は、あくまでも日蓮大聖人様の、一閻浮提第一の、全世界を救う御本尊様を根本に、大哲学を根本として、地球民族主義を高らかに旗印として前進していかねばならないと思うのであります。
 一国の繁栄のために、他の国を犠牲にすることがあってはならない時代であります。一国の利益のために、一国を守るために、他の国々を犠牲にすることも絶対できえないわけであります。
2  さきほど岡安君から話もありましたが、世界の現状は、先日の新聞でいぎわっているEECの失敗、また資本主義と共産主義の行き詰まり、共産主義の世界であっても抗争が始まった。資本主義の行き詰まり、アメリカあたりの黒人問題をはじめ、そうとうの行き詰まりがあることを感じます。AA諸国も不安定です。
 法華経のなかに、正法を根底にした世界でなければ「三界は安きことなし、猶火宅の如し、衆苦充満して……慧心有ることなし」と予言されております。
 衆苦充満です。三界、地球上は火宅のようなものです。ひとたび戦争が始まれば、どうなるかわからない。こういう現状であります。
 「慧心有ることなし」というのは智慧、正しい世界観、宇宙観、生命観をもっていないということであります。真実の幸福と平和を樹立しきっていくその正しい理念を、大哲学を指導者がもっていないという意味なのであります。
 さきほどから、「無責任時代」といわれておりますが、いうはやすく行なうは難し、なんとでも人のことはいえます。このまま放任してしまったならば、たれが日本の国を救い、だれが世界を救うか。これは指導者の責任であります。
 私どもは、たとえ、だれびとから認められなくても、日蓮大聖人様のただ一つのおおせを純粋に奉持して、だれもしない仕事であっても、私どもが、十年、二十年、百年先の人類の為に、平和と幸福の樹立のために、日蓮大聖人様の大生命哲学の種を世界にまいていこうではありませんか。
3  また、来年四月には恩師の七回忌を迎えます。私は恩師なきあと、いつでも胸のなかにこびりついている一つのことがあります。それは、皆さん方もご存知のとおり、戸田先生の原水爆禁止宣言の声明であります。
 「いやしくも、わが弟子であるならば、全世界に向かって原水爆の禁止を、その、わしの主張をどんなことがあっても伝えていけ」こう戸田先生はいい残されました。
 私は戸田先生の遺志を体し、また皆さん方のご協力を得て、どうしてもこれだけは、この主張だけは、なにがなんでも人類のために、子孫のために伝えていかねばならない、いつもこういう念願でまいりました。
 その主張は何か。「原水爆を使った人間は死刑にせよ。たとえ勝者であっても、一国を守るために勝者であっても、その民衆は、民族は悪魔であり、サタンであり、怪物であるという思想を子孫末代まで全世界に伝えきっていきなさい」こういう先生の教えであります。
 「われわれは、民衆は、生存の権利があるではないか。絶対に原水爆弾を落とさせてはならない。禁止させるべきである」と。
 この先生の主張をば、私はどんなことがあっても皆さんとともに伝えきっていきたいと思います。がんばろうではありませんか。
 それで、日夜の折伏活動もりっぱに、その方程式にかなっており、皆さん方の成長もまた、その恩師の主張のとおりにかなっているとはいえますが、私も、三百万世帯を超えた今日、なんとか、原水爆禁止の主張と、それから東洋仏法の神髄たる、唯心、唯物・二大思想をも指導する色心不二の大生命哲学でなければ、絶対に、この行き詰まりを、どうしようもないということを、世界の大国の指導者に教えたい、聞いても聞かなくてもいいから訴えておきたい、こういう念願でありました。
 いろいろ方法もあろうと思いますが、どうしても政治的に複雑になってしまったり、その機会がとらえられなかった。今回も、ときには、まず、ケネディ大統領、ラスク長官にも、その主張がいえるような機会のルートができたのでありますけれども、日本の為政者が、なんとなくじゃましたり、おせっかいをかけて、ひじょうに、そういうものに迎合するのは私はいやであります。今回は見送ろうと思っておりますけれども、いずれにしても、はやかれおそかれ、たとえ聞いても聞かなくても、その恩師の主張をば、下は民衆の大きい波とし、上は全世界の責任ある指導者に、われわれのこの恩師の主張を、情熱をこめ、真実をこめて、ともに訴えきっていこうではありませんか。
 また、三月の幹部会の時に、元気いっぱいの姿でお目にかかりたいと思います。おそくまで、ご苦労さまでございました。

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