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丈夫の心で民衆救済 第33回本部幹部会

1963.1.29 「会長講演集」第9巻

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1  皆さん、たいへんしばらくでございました。
 皆さん方のおかげをもちまして、一昨日の夜、欧米指導より帰りました。留守中はたいへんご苦労さまでございました。
 現地の状況は、ただいま副理事長等からお話があったとおりでありますゆえに、はぶかせていただきます。
 ただアメリカに行けば、アメリカの同志の方々は「もっともっと英文の、日蓮正宗の、そして創価学会の教材がほしい」こういうふうに強くいっておりました。
 パリに行けば「どんどんフランス人に教えたいけれども、まったくフランス語の教材がないではないか。いったい本部はなにをしているのだ」こういうふうにしかられてまいりました。
 ローマへ行けば「はやく、イタリア語で折伏教典なり、そしてまた、創価学会の本なりを出してもらいたい」という強い熱望がありました。バンコクへ朝方飛行機で降りれば、そこに、やはりバンコクの支部員の人々がいて「どうしてはやくタイ語で書いてくれないのか」と。「それをみんな持っているではないか」と。香港へ行けば「広東語で」と。
 そういうぐあいで、どこへ行っても「はやく、日蓮大聖人様の大仏法を東洋仏法の真髄の、その哲学を翻訳してもらいたい」という声を直接に聞いてまいりました。
 私も、これはたいへんだなと、ふけているところを、またふけて帰ってきたわけなのです。なにとぞご後援をよろしくお願いします。
2  いくら、皆さん方から、会長はしっかりしているといわれても、私ひとりではなにもできはしませんし、私はこれだけの人間です。たよるのは、根本の大御本尊様でありますが、あとは同志の皆さん方以外には絶対ないのですから、よろしくお願いします。
 ただいま、理事長から、こまごまと指導がありまして、かさねて申し上げる必要はないと思いますが、どうか、けっしてむりな学会活動をして事故をおこさないように、心から私は切望いたします。
 また、とくに女子部ならびに会員の方々、それから婦人部の方々が、夜おそくなって、あすの仕事にも、また婦人として、女性として、ひじょうに困るような、夜おそい会合等が、もしあったならば、これは大きい学会の責任になってしまいます。
 創価学会は、九時半でいっさいの会合は終わりであります。したがって、幹部の皆さん方が、常識はずれで、学会の正しい指導にはずれていくような、そういう活動をさせたのでは私は困ります。そういうことのないように、おたがいに注意していっていただきたいことを、とくにお願い申し上げます。
3  最後に、日蓮大聖人様のおことばに「浅きを去って深きに就くは丈夫の心なり」との御金言がございます。このおことばは、とうぜん小乗教であってはならない、小乗教は浅い、法華経でなくてはならないという文であり、ともに脱益に仏法ではいけない、下種家の、末法相応の日蓮大聖人様の三大秘法の南無妙法蓮華経をたもつことが、深きにつくことであり、それが「丈夫の心」であります。すなわち、正しい信心なのであるとのおおせであります。
 ともに、生活のうえに約せば、たくさんの宗教、たくさんの思想があるけれども、絶対に正しい人生を生きていくために、幸福な生活をしきっていくために、悔いのない信心の行動を貫きとおしていくためへの、ただ一つの道は、日蓮大聖人のおおせの妙法を護持して、この社会に、この世界に、ゆうゆうと人々のために生きていくことが、「丈夫の心」であるとのおことばであると私は拝するのであります。
 したがって、おのおのの境遇で、おのおのが助け合い、守り合って、大御本尊様を根本に、第一にも第二にも、純粋なる信心を源泉として、楽しい、おおらかな、のびのびとした学会活動であり、また社会活動であっていただきたいことを切望して、私の今回の話とさせていただきます。
 また二月の末に、元気いっぱいの姿でお会いしましょう。ご苦労さまでございました。

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