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次代の基礎つくる 全国助教授会

1962.11.23 「会長講演集」第8巻

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1  たいへんに長い時間ご苦労さまでございました。              
 本来ならば、少し時間を使って助教授会をしたいと念願しておりましたが、会場のつごう等もありまして、一堂に会することができませんもので、また、皆さん方もひじょうに疲れておると思いますもので、私がひとことだけお話を申し上げて助教授会にかえたいと思うのです。
 今回の問題については、理事長、それから教学部長、それに私の三人で問題を出しました。皆さん方もひじょうに多繁であるし、ほんとんどが指導の第一線に立っている方々でありますゆえに、なるべくやさしく、わかりやすい問題にしよう、というわけだったのです。
 なかには不足であった人もあると思いますが、来年もまたみっちり勉強もしていただき、試験もいたしますから、そういう方は、そういうときにまた取り組んでいただきたいと思います。
 採点にあたっては、とくに助教授より教授にいくべき創価学会にとっての根本の立ち場になりますゆえに、厳重に審査をすることになっております。審査委員長は原島理事長、副委員長に教学部長、以下、専門的に十人の委員を選出して、来月の三日からぶっ通しにその審査にあたっていただき、終了するまで期限はきらないで、慎重に審査をすることになっております。
 したがって、できれば筆記試験の合格、不合格は中旬ぐらいに発表できるかもしれません。そこで、正式に教授会を開き、教授にするか、もう一回待たせて試験を受けさせるか等の慎重審議の最終決定は、十二月の下旬になると思います。十二月の本部幹部会あたりが、だいたい最終的な教授の任命になるだろうと私は考えておりますもので、そのつもりでいていただきたいのです。
2  それから、ともに今回落ちても、来年もぜひともひとつ、私としては助教授陣をもっともっと教授にしたいし、抜てきもしたいし、間断ない精進をして力を養っていっていただきたいと思います。よろしいですね。
 最後に、きのうも理事長等と話をしたのですが、思想の根底はぜんぜん天地雲泥の差ではありますが、明治維新の夜明けともいうべき、時の一指導者である福沢諭吉、その福沢諭吉先生が当時、彰義隊と官軍とが乱戦になっているような状態の時に、自分自身がどうしてもこれからの時代のためにはと、先を見込んで、当時は、思想としてはイギリスの経済学を講義したともいわれますが、その内容はいざしらず、官軍にもつかず、彰義隊にもつかず、あくまでも次の時代を自分はつくるのだ、その弟子を養っていくのだ、人物をつくるのだ、こういうふうに、砲声がとどろいている最中にゆうゆうと講義をしていった、こういうふうにいわれております。
 そのとおりに、福沢諭吉の弟子はぜんぶ大指導者に育っているともいえるし、また今日の慶応義塾の出発になっておりますが、いま、創価学会も日蓮大聖人様の大生命哲学を根底として、どうしても伝持の人が必要なのです。戸田先生当時に薫陶を受けた何人かの教授がおりますけれども、もっともっと世界に向かって、多数の大指導者が、仏法の先覚者が必要になっております。
3  創価学会は保守派でもない、革新派についているのでもない、次の時代を考えているのである、そして現実問題はとうぜんであり、十年、二十年先のことも未来を指さして考えている学会の姿であり、百年、二百年先のことまで考えた学会のいまの教学の勉強の姿であると、私は、信ずるのですけれども、どうでしょうか。
 どうかひとつ、そういう世界観に立ち、人生観に立ち、広宣流布をめざして、これからの日本を救い、全世界を指導しきっていくのは、いまここで勉強している私ども以外には絶対にないという確信をもって、楽しく、また、ねばり強く、全世界の人々に先駆けて、私どもが先駆者となって前進していこうではありませんか。
 あとは、きょうはゆっくりお休みなさい。それで、またあすから新しい来年の教授をめざしての前進をしていただきたいと思います。たいへんに長いあいだご苦労さまでございました。

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