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教育部員に期待する 第1回教育部全国大会

1962.8.1 「会長講演集」第8巻

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1  たいへんに本日はおめでとうございました。                
 牧口先生も、そして恩師戸田先生も、この姿をごらんになったならば、どれほど喜んでくださるであろうかと、さきほどから思っておりました。牧口先生も、さきほどから話がありましたごとく、教育界の大先駆者であります。また、戸田先生も、教育者でありました。第三代の私は教育者ではないのです。
 いつも、学校の先生にご迷惑をかけたり、勉強しないので、しかられてばかりおりました。ひじょうに、先生の皆さん方とお会いすることが、申しわけないのです。皆さん方も、牧口先生や、戸田先生がいらっしゃったならば、どれほどか張り合いがあるであろうかと、こういうふうに、じつはひがんでいる私なのです。
 だが、牧口先生、戸田先生に、教育の原理を受けてこられた、私の先輩である原島理事長、それから柏原教育部長、小泉先生、また辻先生等が、皆さん方をじゅうぶんに指導もしてくださいますから、安心して、教育部員として立ち上がっていっていただきたいと、民衆のためにお願い申し上げます。
 それで、私は、会長という立ち場で、そのように、過去において勉強しないで、たいへんに先生方には頭が上がらない自分でございますが、ただ、仏法のことについては――せんじつめれば、一切法は仏法になるのですけれども――あまり、なまいきをいったり、増上慢になったら、これはいけないことなのですけれども、先生方、千名、三千名の方々に、どんな質問をされても、ゆうゆうと答えきり、指導しきるだけの力をもっておりますから、それでいいでしょう。
 年は若いですけれども、これだけは、戸田先生に、十何年間、朝な夕な薫陶を受けてまいりましたから、仏法のうえの指導については、どうか、安心しきって、ついてきていただきたいと、このように切望するわけです。
2  それで、次に提案申し上げることは、もっとも大事な教育界のことについては、私は、皆さん方が結集して、一つの本をお出しになったならばどうかなと思っているのです。
 日蓮大聖人様の大仏法を根底に、そしてまた、初代会長牧口先生の大理念を中心に、あとは皆さん方の体験、研究、応用をば、一冊の本にまとめて、月刊とするもよし、または初めは二か月に一ぺんでもいいかもしれません。
 そうすることによって、混迷しきった教育界に、大きい理念と、正しい原理を与えていける。しかも、PTAの方々も、文部大臣も、それから何百万の先生方も、みんながそれによって、やがては、目を開いていくであろう。仮の名前を「創価教育」でもよし、または、もっと斬新的な、教育界以外の方々も、これを読んでいこうというような題名でもいいでしょうし、そういう本を、おつくりになったらどうかという提案をしておきますから、賛成の人はひとつ拍手してください。
 それでは、この本は、九月の一日号から始めたらどうかと思います。八月の一日が大会の記念日ですから、九月の一日がいいでしょう。月刊ぐらいがいいと思いますね。これだけ大勢の先生方、学者がいれば、原稿のほうは心配ないと思うのです。月刊に、十月の一日、十一月一日と、こういうふうになさったら、どうかと思いますが、これは執行部のほう、委員の方にお任せしていいですね。
 ではお任せします。
3  あんまり、学会の会合はすっきりしていて、先生方も日教組やなにかで、ずいぶん訓練されていると思いますし、日教組気分も出したほうが、感じがいいと思って……「執行部」だとか「委員」だとか……そういうふうに私はしたのです。民主的で、これでいいでしょう。
 それで、最後にお願い申し上げたいことは、二百八十万世帯になんなんとする学会の勢力となりまして、信心未熟で、まだ教学もあまり知らずして、ひじょうに、指導の面や、それから折伏の面においても、世の人々に曲解をされるような場面も多々あるわけなのです。
 それは、一家だって、むすこや娘を統合できないような現状であって、これだけの大世帯で毎月何万名の人がふえていて、やむをえない場合もありますけれども、私としては、だれびとも道理正しく、みんな納得できるような、信心指導、それからあらゆる道理のうえの指導をしていっていただきたいことが望みなのです。
 だれが聞いても仏法の定理、原理というものは、生活法ですから、わかるのです。
 仏法は道理ですから。それが、往々にして、さまざまな批判をされます。これは残念なことであるけれども、またそれが変毒為薬できるのですけれども、千名、そして三千名になった教育部の皆さん方に、指導にあたっては、折伏にあたっては、いっさい、日蓮大聖人様の仏法、学会の指導というものを、理論正しく、道理正しく、ぜんぶ教育部員三千名の人でりっぱに引き受けてくださると、こういうふうにお願いしたいのでありますけれども、どうでしょうか。
 きょうは、このことを、とくとお願い申し上げておきます。また、最後に申し上げたいことは、「教育部の歌」に「若き王者の雄叫びは……」とか「革新の歌」に「広布の王者は凛然と立てり……」と、こういうふうになっておりますが、その「若き王者」も、「広布の王者」も、ぜんぶ、創価学会であり、また第一線で指導にあたる皆さん方ひとりひとりである、指導者の人々、ひとりひとりが「若き王者」であり「広布の王者」である、というふうに歌っていただきたい。そしてまた、その自覚をもっていただきたいことを、お願い申し上げまして私のあいさつとさせていただきます。
 教育部の会合だけは「講演」などというむずかしいことはいわないことにしておきますから、どうか、むずかしい話は、皆さん方のほうでしていってください。以上、お願い申し上げます。

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