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日蓮大聖人・池田大作

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文化の根底に大仏法を 男子部幹部会

1961.9.5 「会長講演集」第5巻

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1  暑い八月の闘争、まことにご苦労さまでございました。           
 きょう、なんの気なしに、ある小説を読んでおりました。ある有名な作家の一節に『ソ連とアメリカの現状を憂い、今後の日本はどのようにして生きていかなければならないか』ということをおりまぜた感想の一章節がありました。
 その作家いわく『文化を動かしていく思想が間違っておったり、低い思想であった場合には、どこまでいっても地球上に醜い戦争は続くであろう。口で平和を叫び、幸福を唱えても、どうしようもなく、地獄の世界へ歩み進んで行かざるをえないであろう。いま自分は、もっと大事なことは、あらゆる文化の骨髄は、背骨は哲学である。その哲学によって、実践によって人間革命をする以外にない。人間革命をしていくときに、初めて政治も文化も経済も、真実の平和の道へ歩んでいくであろう』このように結んであるのです。
 まじめに人生を考え、世界の平和を思索している人は、ある一定の理念は知っております。私どもの叫んでいることも、その作家と同じように通じます。大文化を建設していくべきその根底、その哲学、思想、また人間革命を、観念でなくして、観念論でなくして、実地に、生活のうえに、即座に革命しきっていける大仏法は、申すまでもなく三大秘法の御本尊様であり、日蓮大聖人様の大生命哲学以外には断じてないと、私は言いたいのです。
 科学が発達する、これほどうれしいことはありません。その科学が地獄に運営されていくか、平和に運営されていくか、それを決定するのは、その運営をしていくべき人であり、思想によって決定され、左右されます。したがって大勢の指導者が平和を叫び、幸福を叫んでおりますけれども、真に人間革命をすべき大仏法を奉持しなければ、真の平和の大道は進んでいくことはできないと思うのであります。
 かつて四、五年前に、戸田先生と天文学の勉強をしておったときに、テーラーという学者は『いま、太陽を中心にした太陽系と同じような太陽系の数が、全宇宙に十万個あるのであろうと、計算のうえで出た』と説いておりました。それから間もなく、三、四年前に今度は有名な天文学者がガモフが『宇宙に、一億以上の星野なかに、生命、生物が住んでいる』と説いております。また先日、森田理事から話を聞いたのですが、新聞に載っておったそうですが、どこの学者か、それは教えてくれなかったのですが『十億以上の星に、知性のある生物が住んでいる』と言っておったそうであります。『知性のある生物』といえば『人間』と考えてもいいわけです。
2  戸田先生は『科学が進めば進ほど日蓮大聖人様の大仏法を理解することがやさしくなってくる』と申されました。御本尊様は即宇宙、宇宙は即生命、御本尊様は即大聖人様、大聖人様は即御本尊様であり、御本尊様は即わが身であります。たくさんの、さんらんと輝く星があるといっても、ぜんぶ御本尊様のなかにおしたための大明星天王の眷属です。十万個以上の太陽系があるといっても、その太陽系は、ぜんぶ大御本尊様におしたための大日天王の眷属にすぎません。
 どれほど大聖人様の仏法が宇宙大であるか。人工衛星を上げたときに戸田先生は『あんなオモチャみたいなもの、何が恐ろしいか』宇宙船で、とやかくびっくりしゃっくりしておりますけれども、大聖人様の仏法からみれば、子供だましのようなものであります。
 いずれにせよ、自分自身も救えない、地球上もどうしようもない低い哲学をもっている指導者が、全宇宙を救い、まず自分自身を救いきっていける大聖人様の大仏法にかなうわけは断じてないと私は思う。
 私どもは何も恐れず、大聖人様の家来らしく、青年らしてく、地湧の菩薩らしく、男らしく、あらゆる天魔、外道に向かって、スクラムを組んで、平和をめざして堂々と前進をしていこうではありませんか。
 また、青年期は前途が長いです。あらゆる境遇にあって、非常に多忙な人もあると思います。学生がおり、工員がおり、官庁勤めのお役人がおり、また学校の教員がおり、商人がおり、忙しい生活のなかに仏道修行をしております。皆さん方が偉大なる指導者に育っていただきたいことは、私のただひとつの願いでありますが、願わくば忙しい部員、忙しい同志に対しては、心から理解の念をもって『君きょうは忙しいんだから、ぼくが幹部会に言って、あとはその話しを教えてあげるよ』『君ははいま忙しいんだから、しっかり仕事のほうをやりたまえ。部隊会の様子はすぐに手紙で送ってあげるから』と言えるような、理解のある、そしてむつまじい、同志愛に満ちた青年部であっていただきたいと思います。
 どうか、利己主義に満ち満ちた世界において、ただ一つ大聖人様の仏法を純粋に実践し、自分の幸福、社会の幸福、そして人々の幸福を願っている私どもだけが、最高に、人生を有意義に生ききっているという、誇り高い自覚をもって、また九月度も前進しようではありませんか。

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