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真実の文藝復興 第1回学生祭

1959.11.23 「会長講演集」第4巻

前後
1  まず、お伝えをしておかねばならないことは、学生部長であった渋谷さんが、その任をやめ、このたび新しく渡部君が学生部長になったことです。渋谷さんは、もったいなくも大御本尊様のおわします中部の世界で、中部総支部長と浜松支部長兼任という、非常に忙しい、大事な立場で、若き将軍として一歩進んで指揮をとらなければならなくなったために、学生部長をおやめになったことを、よく知っていただきたいと思います。
 また、渡部君は会長のもとで長年薫陶をうけた、りっぱな人材です。青年部長の秋谷君と、学生部長の渡部君とは、非常にいいコンビです。秋谷君は早大の最優秀、それから渡部君は東大の最優秀、これは少しおまけがついていますけれどもね……早大のソウと東大のトウで、ソウトウ、学生部はよくなるのではないかと思うのですよ。
2  よく会長先生もお話になられましたが、おまえたちは、信心ならびに教学以外のことは非常にうまくなる、熱心にやると、こういわれておったのです。どうかひとつ『学生部はものすごいけれども、信心と折伏と教学はダメだよ』なんていわれないように『信心、折伏、そして教学は、どの部にも負けない、文化祭のこの姿をみたまえ』と内外に宣揚していっていただきたいと切望いたします。
 さきほどの劇でも感じましただ、いままでの日本の国では、吉田松陰はりっぱな指導者です。福沢諭吉、これも指導者です。そのほか、科学者では湯川さんなどがいますが、指導者の偉大さというものは、どれだけ指導者が大勢の弟子たちを訓育し、その滅後の証拠として、国家のため、大衆のため、そして社会のために働く偉大な人材をそろえたかということによって、師匠と弟子との偉さは決まるのです。
 吉田松陰は、何人そろえたか。また福沢諭吉さんは何人そろえたか。科学者である湯川さんは、何人を社会のために、民衆にために、国家のために尽くすべき弟子たちをそろえたか。
3  その意味において、会長先生の弟子である皆さん方は、これから、より以上、仏道修行と勉強をなされて、キラ星のごとく、ある人は科学界に、政治界に、また文学界に、あらゆる方面で『われ会長の門下生なり』という世界的な有名人になっていただきたいと思います。そうなることが師弟の相対というのです。
 いくら先生のことをりっぱにいっても、いくら尊敬しても、先生の分身として、社会に、また仏法のために尽くしていけないならば、その人はオウムのような存在にすぎません。どうか皆さんは先生の教えを実践していく人になってください。これを第二番目に切望しておきます。
 それから、きょうの催しは学生部として初めての試みでございましたが、非常にりっぱな、そして有意義な学生祭でございました。来年も、再来年も、より以上発展させていこうでははありませんか。
 まことの『文芸復興』というものは、民衆の要望、要求によって自然発生的にできるものです。きょうは勤労感謝の日で、明治座や有楽座、それから宝塚などはそうとう混んでいます。見に行くほうも金を出し、見せる方もお金をもうけるためにやっているのです。昔は本を書くのでも、また芸をするのでも、お金ということなんか考えない。ぜんぶ自分の命の発露です。それがだんだん資本主義が爛熟して、そういう変形な文芸のありかたになったのです。
4  われわれは大御本尊様に照らされて、自分で働いたお金で、自分の時間を使ってそして、見るものも、やるものも、最高度に青春を発揮しきっていくというのが、まことの『文化』であると、私は思うのです。
 その意味において、ささやかな文化祭、学生祭ではありましたが、きょうが、かつての中世紀のルネッサンス、すなわち『文芸復興』以上の色心二方の哲学を根底とした大文明の、文芸復興の夜明けであると、私は叫んでおきます。以上、激励を申し上げまして、私のあいさつとしておきます。後苦労さまでした。(当時、総務)

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