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日蓮大聖人・池田大作

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国家諌暁の精神 第2回北海道総会

1958.7.6 「会長講演集」第4巻

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1  『法戦に倒れる我が身はいとわねど、君らは如何にと心痛みん』
 これは会長先生が会長就任直後、全会員にたまわったお歌でございます。この会長先生の御慈悲を身に感じ、会長先生の御構想を仏勅と感じて、広布実現に闘争するところに、ほんとうの学会精神があると、私は信ずるものであります。
 もったいなくも、日蓮大聖人様は三度の国家諫暁をなされました。また日興上人様は五度ないし六度の国家諫暁をなされております。また日目上人様は、なんと四十二階の国家諫暁をあそばされております。代々の御法主上人猊下は六百有余年、広布実現を御祈念し、丑寅の勤行を続行されております。
 この日蓮正宗のみが世界最高の宗教であり、人類救済のただ一つの大教団であるということを、われわれは確信をもって叫びきっていかなければならないと思うのであります。
 この日蓮正宗の三大秘法の仏法を信じ、自分も幸福になり、また知らない人々に教えきっていく、流布しきっていく、これが宗教革命であります。この宗教革命がなされて、そのうえに初めて経済革命も自然になされ、政治革命も自然になされ、教育革命も自然になされていくということを、会長先生は申されておりましたが、その根底の宗教革命を身・口・意の三業でなしきっていくものが地涌の菩薩であり、日蓮正宗の大信者であると、私は信ずるしだいであります。
 かつて、大東亜戦争開戦直後、初代会長牧口先生と会長戸田先生は、本山の命によって登山をいたしました。そのとき『こんな圧迫下にあっては、天照大神を信ぜざるをえないが、どうか』と聞かれた。その際、牧口先生も戸田先生も、断固『天照大神なんか信じない!』そしてその帰り道に、牧口先生が戸田先生に申されたことは『日蓮正宗一宗が滅びるとはかまわない。国家の滅びることを嘆くのである。
 宗祖大聖人様の御魂を悲しむのである。いまこそ国家諫暁のときではないか、みんなは、なにを恐れているのか』と申されたとうけたまわりましたが、この烈々たる気迫の大精神が、すなわち広布実現をめざしゆく、わが創価学会の大精神であると信ずるものであります。
 いま、世界は資本主義の思想と、共産主義の思想の二大思想によって運営されております。申すまでもなく、資本主義は、アダム・スミス、デカルトの哲学、そして共産思想は、マルクス、レーニンの哲学でございますが、資本主義のアメリカ、金さえもうければいい、そういう資本主義の思想では世界は救えない。
 また反対に、共産哲学、ソ連は人を物と思って、いつ殺されるかわからない。そういう思想では、世界を救う、世界を幸福にしていく思想とはいえません。
 ただ一つ、王仏冥合の日蓮大聖人様の哲学によってのみ、世界の黎明は出現されると信ずるしだいでございます。
2  王仏冥合の王法とは、一国の政治であります。仏法とは一国の宗教を意味します。宗教が混乱するときは、またその国の政治は混乱しております。また洋の東西をとわず、いかなる時代においても、国家が、民族が、それぞれの信奉する宗教をもって統一され、団結され、かつ文化を高めてきているのであります。
 絢爛たる平安朝文化は、伝教大師の法華経の興隆によってなされ、また源氏は八幡大菩薩を中心に団結し、平家は厳島神社を信奉して、ひとつの団結の源泉とし、また滅びゆく宗教ではありましたが、大東亜戦争の際は、神道を中心として団結し、日本の中心の宗教にしてきておりました。
 しかし、日本の国は不幸のどん底に陥ってしまったのであります。これからの時代、これからの民族、これからの世界は、もっとも力のある一乗の法、南無妙法蓮華経の最高の宗教によってのみ、最高の文化を建設し、民族の真の幸福がもたらされるのであります。これが大聖人様の御精神であり、その実現が創価学会の構想であると確信するものであります。
 会長先生は、王仏冥合の思想をば、聖教新聞において、大白蓮華等において、このように申されました。
 『社会の繁栄がすなわち個人の幸福と一致しないということが、昔からの政治上の悩みである。ここに、日蓮大聖人が政治と個人の幸福とは一致しなければならぬと主張あそばされたのが王仏冥合論である。社会の繁栄は一社会だけの繁栄であってはならない。世界が一つの社会となって、全世界の民衆が、そのまま社会の繁栄を満喫していかなければならない。それが王法と仏法との冥合である』と申されております。
 最後に国家諫暁といい、また広宣流布といい、それは私どもの一日一日の折伏闘争がすなわち国家諫暁であり、広布実現に通じ、そして全民衆が大御本尊様の功徳を納得したときが広宣流布の姿であると、会長先生は申されております。
 どうかひとつ、理事長を中心に、北海道においては総支部長を先頭に、勇気と確信と希望とをもって、広布実現をめざして前進されんことを切望します。

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