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学生部に期待する 第2回学生部総会

1959.6.28 「会長講演集」第3巻

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1  りっぱな総会、まことにおめでとうございました。訓示をするなどと、きょうは反対に訓示をされにきたような気がいたします。じつに希望に燃えきった、学生部の姿をば、会長先生がおられたならば、どんなにか喜んでくださるであろうと、心あらたに、しみじみと感じたしだいでございます。
 諸君の成長は、日本の希望であり、かつ学会の宝であると信じております。きょうは、私が思っていることでなく、先輩諸氏が、ぜひとも学生部の諸君に伝えていだきたいということを、そのままお伝えしておきたいと思います。
 第一番目には、情熱をもって信心し、学業に生ききっていただきたいと、このように切望しております。それは、さきほど話がありましたが、現在、日本の大学は『何々大学株式会社』というような悪評もいわれております。皆さんが悪いわけではありません。国が悪いし、時代が悪いからです。だから企業化されている。
 学生もまた、大半の人が卒業後の社会的地位をとるために、そして月給をとるために学業をし、卒業するのだと決めているようです。ここにいらっしゃる方は別ですよ……。
 また、学生でありながら、全学連みたいに、あの騒動……やってはいけないと別に注意はしませんが、自由ですから。……よい悪いは別問題として、情熱がある。あのように、めちゃくちゃにやりなさいとは別に申し上げませんよ。彼らは修羅界の全学連、修羅界の闘争だ。やや悪い意味で、日本ならびに全世界の注目の活動をしている。
 先日も本部へ、ある取り締まる役人がきて『千人か二千人の全学連に、いまの日本の国ではどうしようもないのです。取り締まる方法がない。あの元気な彼らの姿には手を焼いている。そこで学会さん、なんとかしてくれませんか』と。これは真実の話なのです。こちらでは、なにも、そんな訴えを関与する必要もなければ、何も関係はしない。だが、彼らには情熱がある。
 今度は、わが学生部は、声聞界ならびに縁覚界、あるいは仏界で、日本、全世界に向かって、いい意味での注目の活動をしていただきたいと思うのでございます。
 どうも、学会の青年が、コッペパンがかり食べて、青白い顔ではかっこうがつきません。それは退転した学生部です。青年部が、これまで会長先生のもとで育ってきた姿、信心のうえで、活動のうえで、先輩が、また皆さま方が、のびのびとやってきたと同じように、それ以上、少しぐらい脱線しようがかまいません。どうか学生部長のもとで、思う存分の、おのおのの知性、そして学生部の精神を発揮していただきたいと思います。
 次に切望しておくことは、目的観をしっかりもって、進んでいただきたい。また大志を抱いて、人生を生ききっていただきたいと、そのように申しております。
 それは、たとえていえば事実ですけれども、創価学会でも九人のりっぱな国士、参議院議員の方々が選出されました。また千名近い地方議員の人々も、王仏冥合のために戦っております。この学会を焦点として、あらゆる批判なり、あらゆる希望なりを全大衆は寄せております。
 そのときに、皆さん方にお願いしたいことは、聖教新聞でもよし、大白蓮華でもよし、または一般の一流新聞でも、どんな雑誌でも論文でもよいから、皆さん方の意見を思う存分に投稿して発揮していただきたい。
 かつて、美濃部博士が、弱冠二十七歳で、時の権力者である政府に、あの有名な天皇機関説を投げかけ、そして全世界の、全日本の波動を起こしております。あの博士も青年であったゆえに、自由をもった学者としての信念の闘争です。
 同じく、安保条約はどうの、勤務評定はどう、または、なになにがどうというような場合に、どんどん皆さん方の意見を、学会本部でもよし、そして聖教新聞でも、大白蓮華でも、思う存分に投稿していただきたい。また国のありかたを批判していただきたい。あくまでも日蓮大聖人様の生命哲学を根底として……。どうですか、諸君。
 安保条約とはどういうことかと、ある学生に聞いたところ『あれは生命保険の契約のひとつだ』と……。これではどうしようもない。聞けば、さきほどから、知性の代表、常識の代表といっても、これだけの実行力がなければ、なにもなりません。思う存分にそれをやっていただきたい。そして私どもにも教えていただきたいのです。
 最後に要望しておくことは、それは、ぞくぞくと人材となって、すくすくと育っていただきたい。学生部からも、学会内でも、社会的地位のうえでも、重要な役職にあって活躍してもらいたい。会長先生は、学生部結成式のときには『半分は学者で、半分は重役に』と、このようにおおせになりましたが、それでは政治家に、あるいは記者になってはいけない、編集者になってはいけないかというと、そうではないのです。あの集まった四百何十人からみれば、きょうはもう何倍かになっています。
 会長先生の原論は原論として、政治家にも、検事にも、優秀なジャーナリストにも、あらゆる分野で活躍していかなけば、会長先生の大構想が、広宣流布はできない。会長先生の巻頭言でもはっきり明示されております。あらゆる方面に人材として進出していただきたい。
 よく、ああこの人たちが学会員だったらすばらしいのだがなあと、会うたびに、聞くごとに、しみじみと感を深めることがあります。ですから、あらゆる分野で、のびのびと広宣流布の重責を、しっかり担っていける人材になってください。お願いします。
 最後に、大聖人様の御金言に『の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり』とのおことばがございます。心の財とは、信心でございます。これが根本でなければならないとのおおせでございます。
 身の財とは、いま皆さん方の、知識の蓄積、これです。蔵の財とは、名誉であり、財産です。いちばん根本を信心にもち、そして身の財をもち、そして皆さん方が育ったときに、蔵の財、自然に名誉であり、財産であり、あらゆる幸福の条件がそなわって、でき上がってくるとのおことばであると拝します。どうか、信心第一を根本として、来年の総会まで、しっかりとがんばってください。以上をもってお話といたします。(当時、総務)

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