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第2回男子部北海道総会 逆境のなかにこそ人材

1961.6.25 「会長講演集」第2巻

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1  本日は、たいへんにおめでとうございました。
 なぜ私は、とくに青年部の会合において『おめでとうございます』と申し上げるかといいますと、虚礼のために、おせじのために申すのではないのです。さきほども理事長といっしょにこの会場に来る途中、看板がかかっておって、なんだかというりっぱな代議士が、きょう、どこかで大講演会を開くことになっております。お年をめしたおじさま、おばさまが、二百人行かれるか、三百人行かれるか、それは知りません。同じ日に、同じ北海道の青年が、青年だけが、一万名も同じ心をもって、大目的をもって結集しているという、この厳粛なる事実こそ『新しい世紀』が日本の国にきたということを、私はおめでたいと叫ぶのであります。
 さぞやこの地で、青年の会合をしている時には、初代会長牧口常三郎先生も、恩師戸田城聖先生も、いかばかりか喜んでおられるであろうと、私は胸のなかで感じてりおります。
 牧口先生も、青年時代は、この札幌の地で、北海道の地で過ごされております。また、恩師戸田城聖先生も、不思議にも、この北海道の地で、青年時代を過ごされております。今、その因縁深き諸君にたいして、私は、力弱き私以上に、皆さん方が牧口先生のような、戸田先生のような、偉大なる先覚者、偉大なる大指導者に育って、日本民族のため、広宣流布のため、真実の世界平和のために育ちきっていただきたいということを、心から切望するものであります。
 よく戸田先生は、広宣流布の実相の姿として、会社に行けば守衛も学会人である。社長も学会人である。課長も、一工員も学会人である。バーに行けば、バーのマダムも学会人である。そこに使われている女中さんも学会人である。官庁へ行っても、局長も学会人、一窓口の給仕も学会人、自衛隊に行っても学会人がたくさんいる。警察に行っても学会人がいるというふうに、教育界、科学界、あらゆる階層に、上層部も、中層部も、下層部も、ぜんぶ学会人が配置されている姿、これが広宣流布の成就できる姿であると申されておりました。
 現実の今の姿も、そのとおりになってきております。したがって、私は『広宣流布は今であり、眼前にきている』ということだけは、大確信をもって申し上げるのです。
 したがって、だからといって、ひとつも気をゆるしていいという意味ではありません。これから十年、二十年、諸君の活動が重大になってきます。それで、なにも名聞名利だけが目的ではありませんが、御本尊様をたもった青年が偉くなっていかねばなりません。戸田先生が『青年が偉くなったときに、信心を根本として偉くなっていったときに、広宣流布ができる』と、よく指導されておりました。
 したがって、私も、諸君が偉くなっていただきたいのず。きょうは、一万名の青年が集まりました。一万名の青年のなかで、千人だけ、湯川博士のように、科学界のほうで貢献する人がでて、そして、ノーベル賞をもらえるような人がでたならば、すごいなと思うのです。あと千名の人が、会社の社長になっていただきたい。そうなったら、もう、大客殿の建立などには、その千人だけで、百倍、千倍の御供養が集まると、私は思うのです。たとえていえばの話ですよ。
 あとの千人の人が衆議院でも参議院にでもなる。まあ、ぜんぶで七百人か八百人ですから、千人ぜんぶはなれません。参議院議員だけでも三百何十人、北海道の青年部からそれだけなればいいと思うのです。教育界も同じです。千人のりっぱな教育者ができ上がったならば、どんなにか教育界が明るくなるか、りっぱになるかというふうに考えた場合、きょう集まった一万人の中の五千人だけでもいいです。五百人ぐらいは偉大なる外交官がでてもらいたい。というふうに考えた場合に、きょう集まった半数の五千人だけでも、世の指導者に育っていただくならば、ほかの方の青年部から入れないでおいても、ほかのほうの部隊から、はいらなくてもいいよといっておいて、全世界のため、広宣流布のため、私は全日本民族を、悠々と指導していけると思うのでございます。
 わが男子青年部は二十数万人おります。どうかそういう意味において、次の時代、次の指導者は、学会青年部からぞくぞくでていくことは、自然の流れであるし、とうぜんであることは間違いありませんが、逆境のなかに、そのような環境のなかに、偉大なる人物が輩出することは歴史の示すところであります。
 今、地の利からみても、たいへん不便な北海道でありますし、またいろいろと宿命と戦って苦しいこともあると思いますが、雄々しく、勇敢に、宿命と戦って、自分自身の勝利者にも、そして、社会、世界の勝利者になっていただきたいと、私は希望するものであります。
 どうか逆境に負けず、宿命に雄々しく戦って、有意義な青春時代を、青年時代を、私とともに生き、そして、ほんとうに、われわれ男子青年部は『世界最高の幸福者であり、有意義な人生を生ききった』と、後生の人々に言いきっていける青年部の修行をしていこうではありませんか。

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