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日蓮大聖人・池田大作

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第1回男子部中部総会 青年の成長に期待する

1961.6.11 「会長講演集」第2巻

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1  本日はたいへんにりっぱな総会、まことにおめでとうございました。
 私どもの同志が九人、国会議員となって、王仏冥合の先駆の戦をしております。私はこの同志の議員の方々から、さまざまな国会のもようをうかがっております。このたびの政防法の問題をはじめ、国会内の様子も、つぶさに聞くほど、あきれてものが言えないような様相であります。
 民衆の幸福ということは、露ほども考えていない指導者の集まりです。一国の幸・不幸を決定していくべき指導機関が国会議事堂です。人間でいえば『頭』にあたる存在が国会の位する立場です。その『頭』が、精神分裂症のように、泥仕合ばかりしていて、どうして民衆がしあわせになれるかと、私は皆さんとともに、青年として、日本民族の幸福を考える一員として悲しんでおります。
 したがって、このようにまじめな、そして真剣な、確信に満ちた中部の男子部の総会へ私は自民党の池田勇人さんや、または社会党の河上委員長さんや、民社党の西尾さんや、共産党の書記長等をここに呼んで『この姿をごらんなさい』と、見せてあげたい気持ちであります。
 また、そのような指導者たちが、真実に全日本の青年のことを愛し、民衆の幸福を心から念じておるならば、『私どもは引退しますから、どうか学会の男子部の皆さん方、この次はよろしく頼みます』と言ってもいいと思うのであります。なにも私どもは、まったく政権を考えたり、政治を目的にしたものではありませんが、そう言いたくなります。
 『革命』には大きく分けて三種類あります。一つは政治革命です。この政治革命は権力の闘争です。したがって、明治維新の姿はこの政治革命です。また、いずれの革命にも必ずその裏づけとなる理念があります。明治維新のさいは、ルソーの民約論、あるいはまた儒教の哲学をもって、これを指針として革命がなされております。その次に経済革命があります。今の共産党が、共産主義者が、社会主義者がなさんとしている革命は階級闘争、すなわち経済闘争を意味しております。
 今、私どもがなさんさしている革命は、宗教革命であります。政治革命より経済革命のほうが深いといえば深いといえますが、いずれも暴力を含み、民衆の犠牲を含み、血を流し、それで永遠の確固たる平和の世界が、最高の文化のこわれない世界をつくることは、幸福の世界をつくることはできえない、砂上の楼閣であります。今、私ともが、日夜闘争しているこの宗教革命は、あらゆる思想哲学の根底であり、だれびとも犠牲がなく、ぜんぶの活動が功徳に変わり、永遠にくずることのない、文化の世界、平和の世界を築いていくべきもっとも簡単であり、速やかに、幸福を獲得できる革命なのであります。
 したがって、私どもの前進の姿、私どもの戦っているこの戦いこそが、最高の正義の戦いであり、真実の民衆の不幸のなかを、この大聖人様の大仏法を根底として三大秘法の御本尊様を拝んで、しあわせになりたいという私どもの革命の前進を待っていると確信しきって進もうではありませんか。
 かつて、徳川幕府の権力に対抗して、一揆を起こした、革命を起こした有名な人がおります。その名は大塩平八郎、号を中斎と言います。また由井正雪。このふたりは民衆の味方になって勇敢に戦って、明治維新のその前の黎明をもたらした。大聖人様の仏法の深さは、だれびとであっても、少しでも勉強した人は、ほんとうのうわべだけを研究したものであっても驚嘆します。大塩中斎も、由井正雪も、同じく大聖人様の仏法を身につけようとして、大聖人様の本尊まで自分で書いて革命に走ったのです。だが、捕らわれの身となって、最後の死にかたは無残な死にかたをしております。法罰現然たる姿です。
 また、大東亜戦中においても、右翼はずいぶん理論がないために、大聖人様の仏法を利用しております。終戦後になっても、立正佼正会や霊友会や孝道教団や国柱会が、皆、大聖人様の仏法を盗んできております。戦争中、戦争前、戦後であっても、なんらかの力がある仏法であるということは、認識者も感ずるし、それから、人々も多少なりとも感得している。
 だが、すべて相伝のない法盗人であり、ぜんぶ最後は不幸に帰しておりますま。ただ一つ、七百年の間、法水瀉瓶の姿をもって、相伝を受けた日蓮正宗創価学会の広宣流布の姿だけが、御本仏日蓮大聖人様のおんこころにかなった戦いであると叫びたいのであります。
 したがって、この三大秘法の大御本尊様を根底とした戦いは、絶対に間違いない戦いであります。ゆえに、この一年、また私も一歩前進の、日本の国の救済のために、広宣流布の前進のために進んでいく覚悟でありますから、諸君もいっしょに戦っていただきたいと思うのであります。
 最後に、さきほど理事長からも話がありましたが、諸君が早く成長して、ぜんぶ学会の中枢たる立場にたってもらたい。指導的立場になってもらいたい。指導的立場になってもらたい。ただ一つの私の念願なのであります。
 私も青年部の出身です。現在の二百万世帯になんなんとする学会の陣容の最高主脳は、私をはじめ、北条副理事長も、小平教学部長も、また、辻理事も、森田理事も、竜理事も、それから新しく理事になった秋谷君をはじめ新理事、大半の理事は、青年部出身であります。私は次の会長も青年部ならびに青年部の出身者になってもらうということは宣言してあります。また、皆さんが理事となり、それから支部長となり、地区部長となり、世のあらゆる階層の指導的立場にぜんぶ勢ぞろいしてくださった時こそが、広宣流布の日であると、私は信ずるのです。
 どうか、しっかり信心し、しっから自分をみがいて、自分自身の幸福はもちろんのこと、十年、二十年先をきちっと凝視して、一日一日を着実に毅然たる態度で進まれんことを最後に切望して、私の話といたします。

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