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女子部幹部会 広宣流布の磯熟す

1961.6.5 「会長講演集」第2巻

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1  たいへんにしばらくでございました。
 ただいま、理事長からも話がありましたごとく、毎月、皆さん方の女子部の幹部会に列席をして、激励もし、激励もされていきたいと思っているのです。ただし、男などは必要ない、おとなも必要ありませんと、女子部長を中心にして、わが女子部だけで広宣流布をしていきますから、こないでくださいというような声がありましたならば、皆さん方を御尊敬申し上げて、こないようにしますから、それまでは、まいります。
 六月の二日に、伊東に新寺院の建立があったのです。東光山竜眼寺というりっぱな寺院が建立されました。そこへ御法主上人猊下のお出ましもありますゆえに、私をはじめ、理事室、大幹部のつごうのつく人が、入仏落慶式に参加いたしました。いっさいが終わったのが四時ごろでした。伊東は温泉地でもありますし、先生方も疲れておりますから、一泊しようかなと私は考えておりました。
 まず、いっしょにおった副理事長が『やあ、四時に終わったから、真っ先に帰って、これから本部で仕事をします』というわけなのです。今度は理事長も『そうだ、自分も行かなくてはならない』、柏原先生は、さっさと静岡の支部の総会へいってしまう。白木理事や森田理事も、やっぱりさっさと帰ってしまう。残る人はひとりもいない。
 そのように、皆、忙しい思いをして、広宣流布の活動をしておって、私も、そうだ、自分だけ泊まってもしようがないと、私もいっしょに帰らせてくださいと、汽車に乗って品川で降りたわけです。
 降りる時に、ちょうど理事長、副理事長、それからお山の早瀬庶務部長、重役ならびに教学部長もいっしょでありました。久しぶりで、私ひとりがやっとの思いで、列車から降りて、きょうはゆっくりと家へ帰ろうかなと、悠々とお別れをしたわけなのです。
 そして地下道へ入って行った、列車のホームから降りまして......。今度は省線の方のホームの階段から降りてきた五、六人、中野方面の女子部の人に『先生!』とつかまってしまったのです。『ただいま、座談会が終わりました』と。今度は反対のホームから降りてきた、どこかの支部のおじさまとおばさまが『先生!』と、また、五、六人。また、真っ正面の方から、大阪の支部の人が『会社の用事で上京し、ちょうど夜行で大阪へ帰るところです』と、こういって『初めてお目にかかりました』と、こういうわけなのです。すこし先に行きましたら、また五、六人。今度は車に乗ってい家へ飛ばそうと思って、改札口へ行ったところ、ちょうどこれから夜行でお山に行く人たちが何百人も待ち合わせている。それで皆は『会長ひとりで何をうろうろしているのだ』と。格好が悪いといったらありませんでした。
 それから女子部の人が大急ぎで車を拾ってくださいましたので飛び乗った。会長ですから悠々と七十円の車に。『大急ぎで蒲田方面へ』と言ったら『会長、蒲田のほうですか』、運転手が今度は学会員でした。
 また、今度はずーっと、すまして乗って家の方面に帰る途中、シグナルが赤信号でとまった。とまって、ちょっと左をみたら、戸田先生のレコードを持った御婦人と男の方が『先生、どちらですか』と。車のなかまで検査しなくてもよさそうなものですがね、夜遅いのに。まあ、そういうわけで家に帰りましたら、今度は、うちの子供ですよ。
 まあ、そういうわけで、どこへ行っても、学会員が、同志がおります。全国どこへ行っても同じような光景を体験しておりますが、広宣流布の機は熟してきたと、私はうれしい思いでいっぱいでございます。
 しかし、こんなに学会員がふえても、まだまだ成田へ参拝する人、川崎大師へ行く人、またお正月になると、明治神宮に参拝する人が大勢おります。まだまだ折伏すべき人はたくさんいるなと、一面、非常にかわいそうであるし、また一面、楽しみがたくさん残っているわけであります。私といっしょに、しっかり成仏の境涯をつかむために、楽しく折伏行に前進をしていきたいと、私は思います。
 あんまり早く広宣流布になるとつまらないものです。そういうものですよ、物事というものは。まだ、十年、二十年先に広宣流布をすればよいわけですから、皆さん方は落ち着いて、けっしてあせらないで、信・行・学にまじめに、一歩一歩進んでいっていただきたいと私は思うのです。そして幹部会ごとに、お会いするたびごとに、幸福を築ききっていけるその信心、確信に満ち満ちた姿を毎月私どもにみせていただきたいと、私は思うのでございます。
 かつて、フランスのジャンヌ・ダークが、あの低級なキリストの哲学をもって、弱冠十九歳で祖国を救っております。今、私は皆さん方に『祖国を救いなさい』とは申し上げません。それは私がいたします。因果の理法を説いていない、あんな低い宗教であっても、それを信ずるものの力によって、あれだけの実践をしております。
 いま、世界最高、永遠にただ一つしかない三大秘法の大仏法を、福運あって受持できた皆さん方は、せめて自分だけは、一生涯、永遠に、なんの不安もない幸福をつかみきったというだけの信心をしていただきたいと、私は思う。
 そして、その強い確信、大仏法の力を借りて、せめて部隊長は部隊員を、区長は区員を、班長は班員を、組長さんは組員をしあわせにしきっていける、そのような幹部になっていただきたいのであります。
 この幹部会の時には、むずかしい話はしないようにしたいと思います。むずかしい話は御書を読み、六巻抄を読み、また文段を読んでいただけば、それでいいのです、すぐ眠くなりますけれども。この幹部会は、毎月いっぺん、楽しい幹部会にしたいし、明るい希望に燃えさせていける幹部会に私はしていきたいと思うのでございます。
 そして、皆さん方も勤めがありますので、六時からの会合では間に合わないお友だちがたくさんいると思うのです。ですから来月から女子部の幹部会は、お友だちのことも考えて、六時三十分から開始をすると、こうしましょう。
 そして日蓮大聖人様の御書の中の『夫れ仏法と申すは勝負をさきとし』または『願いとしてかなわざるなし』または『行解既に勤めぬれば三障四魔紛然として競い起る』というように『勇猛精進』『難来るを以て安楽と意得可きなり』『一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり』とか、いろいろ短い御書ではありますけれども、大聖人様の御金言があります。どの御金言でも、それはけっこうですが、その御金言を、皆さん方ひとりひとりが、身・口・意の三業で読みきっていける指導者になっていただきたいと、私は念願いたします。

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