Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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年頭のことば  

1961.1.1 「会長講演集」第2巻

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1  立宗七百九年の新春を、全学会員の皆さまとともに、お祝い申し上げます。
 万人の欲するものは、個人の幸福と国の平和とである。過去において、幾千万の指導者、思想家たちが、これが実現を念願として、いかに戦ってきたことか。
 しかるに、現実は、いかなる国も、民族も、けっして安泰とはいえない。一国一国の自界叛逆難、そして、世界の自界叛逆難に移りつつある悲しむべき実情となっている。
 すなわち、コンゴの反乱、アルジェリアの戦火、ベトナム、ラオス、エチオピア等々の動乱は、けっして、対岸の火事とは言っていられない。
 私どもは、人類の真の幸福に寄与するために、まず、われらの祖国を、楽土日本に建設しなくてはなるまい。その直道として末法の救世主、日蓮大聖人様の大生命哲学を指導原理としていくならば、必ずや実現可能なることを絶叫するものである。これすなわち、宗教革命である。宗教革命とは、すなわち、人間革命のことである。人間革命には、最高の哲理を裏づけとした実践が必要となる。その実践が信仰となるのである。信仰には、対境が必ず存在する。その対境こそ、日蓮大聖人様出世の御本懐たる、「一閻浮提総与の大御本尊様に帰一し奉るのである。
 其れ本尊とは所縁の境なり・境能く智を発し智亦行を導く、故に境若し正しからざれば智行も亦随って正しからず、乃至故に須く本尊を簡んで以て信行を励むべし』(文底秘沈抄第二)と云云。
 三大秘法の御本尊様を受持することのみによって、もっともかんたんに、もっともすみやかに、生命力を旺盛にし、生活に功徳を満たし、個人の幸福、また一国の平和も樹立することができるのである。
 日蓮大聖人様の大悲忠諌にたいし、日寛上人様の御文にいわく、
 『文永十一年十月に蒙古の兵船が対馬に寄せてきて二か国を奪いとったのである。已上三度の諌めのごとく兼ねて知っておられたことが毫末も違わなかった方は、豈日蓮大聖人ではないか。佐渡御書にいわく「現世に云をく言の違はざらんをもて後生の疑をなすべからず」等云云。ここにおいて暫時筆を閣いて紅涙は白紙を点ず』云云。
 全日本人が、そして、全世界の指導者が、大聖哲、日蓮大聖人様の仏法を、頭を低くしてあおがなければならない時がきたと信ずるのである。また、これなくば、真の民族の幸福と平和はありえないことを悲しむものである。ひたすら、日蓮大聖人様の言々句々を、そのまま実践しているのが創価学会である。
 そこで、学会員として、全支部員は、支部長、婦人部長を、兄のごとく、姉のごとく慕い、信頼して、ついていっていただきたい。支部長、婦人部長は、全支部員を、弟のごとく、妹のごとく、暖かくいだき、かつ、親切にめんどうをみ、信心の指導、指揮にあたっていただきたい。
 また、地区部長、地区担は、学会の次の大幹部なりとの確信をもって、おのおのの部署において、全地区員を守りきるためへの、責任ある行動をとっていただきたい。
 班長さん、組長さんも、また、一日も早く大衆の大指導者に育っていただきたい。なお、現在においては、学会の折伏の法戦における最前線におられるゆえに、学会の運命を決する重大な立場を自覚して、真剣に、仏道修行に励んで、絶対の幸福を勝ち取っていただきたいと念願するものである。
 広宣流布の機、熟しつつある今日、御金言に照らして、三類の強敵あるは必然である。しかし、いかなる 批判、悪口も『風の前の塵なるべし』の確信をもち、また『日蓮正宗に反逆なさば、法罰、仏罰厳然たり』の大確信をもち、本年もまた、おおいなる信心の躍進と、おおいなる生活革命を成していこうではありませんか。

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