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蒲田四支部結成大会 変毒為薬

1960.12.14 「会長講演集」第1巻

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1  本日は、たいへんにおめでとうございました。
 このなかに、何人かの人がきっと苦しんでいる人がいると思いますゆえに、きょう私は御報告ならびに、また皆さん方に対してお願いがあるのでございます。
 それは昭和三十二年の大阪の参議院議員の補欠選挙の時に、蒲田方面の何人かの人が買収事件を起こしました。学会の広宣流布への大方針としては悲しい事件でもありました。寂しい、そして残念な歴史をつくってしまいました。
 一時は戸田先生の命によって、買収事件をひき起こした人々は、ぜんぶ除名にされました。しかし自分自身のやられたことを心から反省し、現在では一生懸命に、広宣流布に向かい、一生成仏の信心に純真に立ち上がっている同志の方々が多い現状であります。なかには反逆をした者もあります。反逆をした者に対しては、断固私どもは戦わねばならない。大聖人様から法罰、仏罰、厳然たる、かわいそうであるけれども、その証拠を示していかねば進めないと、私は確信するものでございます。ほんとうにその人は、かわいそうであります。だが、あとの人々は、今、私どもとともに手をたずさえて立ち上がっております。
 先日、求刑がありました。過半数の人が懲役刑の言い渡しがありました。だが、ぜんぶが執行猶予になることは間違いないと思いますし、それから、皆、元気でもありますし......と、私の心は、私が今、創価学会の最高責任者として、どんな人であっても、苦しみが深ければ深いほど、私の胸は痛みます。
 その立ち上がっている同志の人々に対しては、願わくは創価学会としても、支部としても、暖かく、力強く、ともに激励し合って、その人たちをしっかりとかかえきっていただきたいと思うものでございます。
 また、このなかに最高顧問もはいっておりますが、最高顧問に対しては、これはどこからいっても絶対になんら関係はありません。判決の時には、はっきりその証明がされると思いますが、その求刑の言い方は『学会はあまりにも組織が強固であって、下の人は否認しているけれども、必ず上の人がやらせたに違いない。だから罪にする』こういう漠然たる、なんらの証拠のない、求刑の仕方でございます。
 この点については、もしか変な判決があるようであれば、私どもは、どこまでもそれは追及いたしますが、御心配はないと思いますが、あと純真に立ち上がっている同志の人々に対しては、それは現実にやりもしましたし、それから間違いはないわけなのですから、多少にかかわらず罪はあると思います。この点の御報告ならびに、今後のこの人たちに対して暖かい指導の手をのべてやっていただきたいと、重ねてお願いいたします。
 学会の方針、学会の指導に反してやることは絶対いけませんが、大きい変毒為薬はできます。また、自分自身が人間ですから、そのときの調子によって一生懸命のあまり、どういうふうにして、踏みはずしたかはわかりませんが、あくまで広宣流布のために自分はやったのだという、まごころがあるならば、私は、なんらそれは恥ではないし、大御本尊様は大きいし、また自分自身の大きい罪を消していける、信心のうえからみれば変毒為薬でもあるし、喜ばしいことであると思うのでございます。
 したがって、いろいろとこれからも闘争があります。どんなことがあっても、私は広宣流布のために戦ったのだ、絶対に御本尊様をお守り申し上げるために戦ったのだと言いきれる名誉と確信をもった闘争を、私どもは広宣流布の日まで戦いきっていこうではありませんか。
 あまり憶病になったり、また偏狭になったり、卑屈になったり、そういう過去のことにとらわれたりしないで、あくまでも、まっすぐに学会の方針に準じて、広宣流布を目ざして、一生成仏を願って、楽しく、また来年もがんばっていきましょう。
 どうか、来年は、よいお正月をお迎えになってください。まだまだお話ししたいことも、じつはありますが、そのつど、また話してまいりますし、新聞にも載っていくと思いますから、きょうは十二月もなかばで、皆さん方もお忙しいと思いますし、これでお話を終わりにいたします。御健闘をお祈りいたします。

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