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日蓮大聖人・池田大作

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中部総支部幹部会 衆院選に対する態度

1960.6.10 「会長講演集」第1巻

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1  中部の同志の皆さま、日夜の御健闘まことに御苦労さまでございます。
 学会のことを、恩師戸田城聖先生の時にも、また現在でも、ファッショである、軍国調であるといって批判もされてきましたし、今でも、そのように批判して、退転している臆病なものが蒲田方面にいると聞きましたが、こんな楽しい、こんな家族的なファッショや軍国調がどこにありますか。私どもは、日蓮大聖人様の末法の御本仏、大聖哲の教えのそままを行なっているのです。大聖人様の御精神は何か、一切衆生をぜんぶ幸福にしきっていく、仏にしてあげる、国を立正安国にさせて『吹く風枝をならさず雨つちくれを砕かず、代は羲農の世となり』世界最高の平和な日本の国を、東洋の国を、全世界の国をつくりあげてあげたい、こういうふうにおおせになっておられる。
 あとは何もありません。折伏をし、題目をあげ、座談会、これが日蓮大聖人様のお教えです。あとはぜんぶ自由です。
 法華経の精神は、大聖人様のお教えは何か。それは不幸のきずなに、つかまって、自由の境涯を得ることができない。六道輪廻ともいう、三悪道、四悪道とも四悪趣ともいう、どうしようもない不自由なわれわれです。個人にとっても、家庭にとっても、国にとっても、社会にとっても、そういう私どもを、大御本尊様を拝むことによって、もっともかんたんに、三世にわたっても、自由自在の境涯を、またこの人生にあっても、自由奔放の境涯を、命をつくりあげ、つくっていくわけです。それが仏法です。
 したがって、ファッショとか、軍国調とか、そんな不自由ではありません。最高の平和、最高の自由をつくってくださるのが日蓮大聖人様のお教えであり、日蓮正宗であり、その実践をしているのが創価学会であると断じます。
 その証拠の一つとして、初代の会長である牧口先生、二代の会長である戸田城聖先生は、時のファッショ、時の軍国主義と、真っ向から戦って、諫暁八幡抄の大聖人様の御金言に照らし、立正安国論の御金言に照らし、顕仏未来記の大聖人様の御書に照らして『今の日本の状態では日本の国は負ける、日本の民族は滅びる』といって、真っ向から軍部と戦ったではありませんか。
 そして初代の会長牧口先生は牢死なされ、恩師戸田城聖先生は二年の間、牢獄のなかで戦いきってこられております。その創価学会であります。牧口先生も軍隊に行っておりません。政治にも関係しておりません。戸田城聖先生も軍隊にも行っておりません。政治にも関係しておりません。あくまでも大聖人様の御予言をそのまま、仏法をそのまま実践していらっしゃいます。
2  今、まことに私は、せんえつな言い方ではございますが、私も創価学会の若造ではありますけれども、会長となった以上、申し上げておきたいことは、私も軍隊には行ってはおりませんし、また、政治のほうにもたずさわっておりません。あくまでも創価学会は絶対に全民衆を救っていく宗教団体であるということを貫き通していくことを宣言しておきます。
 どうか、どんな報道機関が騒ごうが、どんな人々が、また弱い根性でわれわれの同志のなかからそういう批判がでるようなことがあっても、きょう私が申し上げました、この話を中心として、まどうことなく、恐るることなく、大聖人様のお教えをまっとうしていこうではありませんか。
 必ず、民衆も、報道機関も、一年たち、三年たち、七年たち、十年たち、十五年たっていくならば、たしかに日蓮正宗創価学会のあり方が、全世界に、もっとも正しい教団であるということを、認識していくことだけは、間違いないと断言しておきましょう。
 今、私は、もうひとつ皆さん方に提案しておきたいことがあるのです。それは、中部は全日本の中心であります。ともに全学会人の、やはり中心の総支部に位しておりますから、この中部の総支部の幹部会で提案しておけば全国の同志の人々に伝わりますし、またその賛同していただくことが同じ意味になることを考えますもので申し上げておきます。
 それは、御存知のように、今の政界は混迷にまた混迷の状態です。暗たんたる将来を呈しております。ただ一つ、創価学会が一生懸命折伏で救っていく以外にはありませんが、それはそれとして、近いうちに衆議院の解散があるのではないかと思うのです。いつごろになるか、私は予言者ではありませんからわかりません。いつかはあるでしょう。ことしじゅうか、来年になるか、秋になるか。その時に、過去も創価学会に対して、一生懸命に応援をしてくれと、きている政治家がありました。今度は、もっとすごいと思うのです。何十人くるか、何百人くるか、何千人はこないでしょうけれども、それはわかりません。
 創価学会は衆議院には出ません。なぜかならば、あくまでも宗教団体ですから。政治団体ではありません。参議院のほうは、これはあくまでもあらゆる団体の代表が出て、衆議院のほうから回った、いろいろな法案というものを、厳正中立の立場で『これはよし、これはいかん』というふうに審議する立場ですから、これはかまわないわけです。各団体が出るところですから。
 今の国会は実際問題として変則になっております。参議院のほうまで党派によって左右されるようになっておりますが、あくまでもわが学会選出の議員さん方は厳正中立で、自民党にも、社会党にも、共産党にも偏せず、全民衆の大衆の心を心として、大乗的見地で、いろいろと検討してくださっておりますから、これだけは安心してください
3  それで、さきほど申し上げた問題は衆議院のほうなのです。大勢の人が自民党からもくるかもしれません。社会党からもくるかもしれません。共産党のほうからも、くるかもしれません。いずれにしてもぜんぶ創価学会という宗教団体に、はいっている皆さん方は、もと共産党で救われなかった人の系統できた人もいるかもしれない。社会党のほうに連なって信心している人もいるかもしれない。自民党のほうで、なにか関係があって、そして信心している人もいるかもしれません。カクテルのようなものですから、どっちに応援するわけにもいきません。あくまでも皆さん方の自由と、こう決めたいと思うのですが、どうでしょうか。
 ほとんど拍手なさっておりますから、皆さん方の自由におまかせします。これを学会の衆議院選に対する態度と、まず大前提に決めましょう。
 ただし、もうひとつ、私は、将来のことを考え、学会のことを考え、国のことを考えて提案申し上げるのです。
 それは仏法のなかには、国の恩、一切衆生の恩ということばある。また、法華経のなかには、魔、および魔民といえども、仏法を守護するものを守る。信心してないものであっても、御本尊様を護持するものを一生懸命守る人がでてくる。『魔および魔民たりといえども』という方程式もありますし、諸天善神の働きとなって、大御本尊様を護持する創価学会を守る、そういう政治家も考えられるのです。そういう意味から、創価学会を守るということは、創価学会にあらゆる点で応援するということは、全民衆のためであるし、国家のためであるし、全人類のためであると、私は信ずるのです。
 ですから、創価学会を、ほんとうに真心こめて守り、応援し、そういうような政治家がもしか出たとするならば、党派を超越して、自民党であろうが、社会党であろうが、共産党であろうが、あくまでも私どもは検討して、この人はたしかに学会のために一生懸命に働く人である。宗教法人の問題、墓地問題、いろいろな、これからの問題があると想定されます。そういうことを含んで、あくまでも学会に最大の味方となって働く政治家が、もしかあったとするならば、応援してあげても、どうかと思うのですけれども、それはいいですか。
 まあ、そういう人はあまりいないと思いますけれどもね。そういうりっぱな人はたいてい信心すると思いますけれども。将来のために、そういうひとつの方程式を私はきょう提案したわけです。では、賛成をしてくださったわけですね。なかなか国会のほうでは、衆議院も、参議院も通過しませんけれども、賛成ができませんけれども、わが中部総支部は即座に賛成というわけですね。
4  最後に、よく恩師戸田城聖先生の指導のひとつに『末法の悟りは何か。それは信ずるということだ』よく悟りなどといいますと、ずっと過去が見えたり、将来が見えるみたいに思ったり、りっぱそうな顔をして、悟りきった姿をしてみせたりしますが、ぜんぶウソなのです。大御本尊様を信じきる。これが末法の悟りなのです。
 それでは信とは何か。『無疑日信』疑わざるを信という。疑わない、どんなことがあっても御本尊様を疑わない。これが末法の悟りになるのです。それが功徳をうけ仏になる直道なのです。どうかひとつ、こういう力強い御本尊様に信をこめた、また、あらゆる、これからの人生において、疑わない、そういう信心をして、りっぱな幸福生活を築かれんことを切望して、私の講演とさせていただきます。

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