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北海道総支部幹部会 何事も大御本尊様第一

1960.5.22 「会長講演集」第1巻

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1  北海道の皆さま、たいへんしばらくでございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 一昨日の東京は豪雨でありましたが、そのなかで、夕方から、あの新聞紙上で有名な全学連が、国会議事堂や、首相官邸まで押し寄せて、流血の惨事をひき起こしております。その前の日もそうです。また遠くは九州においては、あの三井三池炭鉱の騒動です。
 それはそれとして、純真なる学生が、勉強の時間をさいて、雨の中を親の心も知らないで、流血の惨事の、その世界に踏みこんでいくというその現状。人間と人間との戦い、日本民族と日本民族とが、おたがいにケンカをして、苦しめあっていかなければならない、その姿。それほどの不幸、これほどの悲しみはございません。お巡りさんだって、本来ならば、息子のような、娘のような全学連の人々です。それをコン棒でぶんなぐったり、つかまえたり、なんと寂しい姿でありましょうか。
 また、こういうお巡りさんの気持ちや、若い、純真なる学生の気持ちもわからずに、そして救えずに、口ではりっぱな演説ばかりして、国会議事堂にたむろしておる議員さん方のあの姿。考えれば考えるほど日本民族は不幸です。
 それらの姿は、私どもの世界ではありませんから究明する必要はないとしても、世界の大聖哲、日蓮大聖人様の大生命哲学を、純真に、政治家も、お巡りさんも、学生さん方も学び、そして教わっていくならば、ぜんぶの人々が、しあわせになり、満足しきれると私は断言するものであります。
 大聖人様は『親が子を思うは慈悲に似たり』とおっしゃっておられます。まだ慈悲ではないという。無条件で子供をかわいがり、愛し、大事にする親の子を思うは慈悲に似たりとおっしゃっているのです。
 今、私どもは、そういう深い慈悲の心はもてないとしても、大御本尊様を知り、大御本尊様のお使いをすべき宿命に立っているならば、その心を心として、不幸の人々に、日本民族の大人に、なんとかして御本尊様を拝ませてあげたい、なんとかして日蓮正宗を知らせてあげたいいう心が国家諌暁であり、折伏の心であると私は思います。
 『広宣流布、広宣流布』といっても、戸田先生は『あくまでも学会員のひとりひとりが、日本民衆のひとりひとりが幸福になることだ。幸福になりきっていくならば、それで広宣流布に通ずるのである。したがって、広宣流布は、全日本の民衆が大御本尊様を信じ、その功徳をうけ、大聖人様の仏法を納得して幸福になる、その余残で、そのカスで、広宣流布はできるのだよ。つまりおトウフはわれわれが食べ、そのカラのほうが広宣流布なのだ』とおおせになっておりましたが、まず生活において幸福になりきっていくことです。
2  それには、題目をあげ折伏をしなくてはならない。堅くなって死んだ人でも、御本尊様に題目をあげるならば、成仏の相に変わる。その偉大なる大御本尊様に五体満足のわれわれが唱題して、なんで病気がなおらないわけがありましょうか。永遠の幸福を、福運を積んでくださる御本尊様です。仏さまにしてくださる御本尊様、なんで御本尊様が、貧乏人をそのまま放置しましょうか。
 また、私どもは、諸天善神、三世十方のあらゆる仏菩薩、梵天帝釈等から守られております。安心立命し、絶対なる生活に確信をもって大功徳の生活を湧現しきっていける信心修行をしとおしていきたいと思います。
 そうなるためには、どういう一念が必要か。あくまでも大御本尊様中心主義で『大御本尊様第一、大御本尊様第一』この一念を忘れているならば、幸福生活は樹立できない。座談会といおうが、幹部会といおうが、生活活動といおうが、講義といおうが、教学といおうが、せんぶが大御本尊様から出発するのです。偉くなるためでもありません。自分の人気取りでもありません。
 また、いっさいの折伏も、いっさいの会合も、いっさいの教学も、いっさいの活動も、詮ずるところは、ぜんぶ、大御本尊様に帰一するための活動でなくてはならない。
 どうか『学会活動も、また、われわれの生活の源泉も、ぜんぶが御本尊様第一である』、この決心をもって進んでいただきたいと思います。
 最後に、大聖人様のおことばのなかに『ぬれる木を燃やすがごとく、かわきぬる大地の砂を掘って清水を出すがごとく、そのような一念で強盛なる信心をしなさい』(御書1132㌻)というおおせがございます。
 過去遠々劫の罪業によって、一年、二年、三年で生活の大転換ができえない人々もいるかもしれません。そういう福運のない、罪障の深いわれわれでありますが、ぬれたる木に火をつけ『普通では燃えないけれども、断じて燃やしてみせるそ。かわいた砂地から水は出ないけれども、絶対にこのかわける砂地から清水をコンコンと出してみせるぞ』という、強い強い信心で、題目をあげきって、宿命転換をしていただきたいと思います。

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