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日蓮大聖人・池田大作

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2 地球的問題群とNGOの役割  

「希望の選択」ディビッド・クリーガー(池田大作全集第110巻)

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7  "力"に対する"精神"の戦い
 クリーガー 核兵器の廃絶をめざす運動が大きくなっているのは、ふたたび核兵器が使用されると、どういう結果になるかを想像できる人々の数がどんどんふえているからです。
 けれども、私たちはまだ、政府に政策を変更させるのに必要である決定的な人数には達していません。しかし、私は、個人の力と人間の良心の力を信じています。すべての人間にとっての「自由」「正義」「尊厳」を備えたよりよき世界を、非暴力的手段によって追求していくことに、一人一人が力を合わせ、それが決定的な勢力になったときに、世界は必ず変わっていくのです。
 この考えは、会長が提唱される「人間革命」の思想に通じるのではないでしょうか。
 池田 そのとおりです。歴史を振り返れば、「善」なる人々はつねに分断され、社会を変革しようとする「正義」の行動も、確たる力を出せぬまま、その多くが挫折を経てきたことがみてとれます。私は、この人類史の不幸な流転を何としても止めたい。このままでは、ますます人々の間に無力感とあきらめがつのり、危機に立ち向かう勇気と英知を糾合するチャンスは、永久に失われてしまうでしょう。
 私はかねてより、仏法を基調に平和・文化・教育を推進するSGIの社会的使命を、次のように位置づけてきました。
 「暴力や権力、金力などの外的拘束力をもって人間の尊厳を侵し続ける"力"に対する、内なる生命の深みより発する"精神"の戦いである」と。
 現実が厳しいからといって、手をこまぬいていてはいけない。民衆が立ち上がれば、どれほどの力が生まれるか――私は、これを示し、時代の潮流へと高めていくことが、二十一世紀の人類の課題だと思います。
 そのためにも、私たちSGIは、世界の"善なる人々"と連帯を深め、行動を続けているのです。

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