Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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2 原点――人生の大いなる転機  

「希望の選択」ディビッド・クリーガー(池田大作全集第110巻)

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7  行動なき理想は砂上の楼閣
 クリーガー こうして、ボーギーズ女史は、「民主公共機関研究所」とともに、私を強く感化しました。と申しましても、同研究所で私が学んだことが、すべて良いことだったわけではありません。研究所はあまりにも観念的すぎましたし、行動する意識がたりないと、私は感じました。変革は、理論だけでは不十分です。行動がともなわなくてはなりません。
 池田 まったく同感です。「行動」なくして、何も始まりません。いかに高邁な理想をならべても、「行動」がなければ砂上の楼閣にすぎません。
 クリーガー そのとおりです。じつは、研究員たちの間には、たえず言い争いがあったのです。彼らは、同じ目的を、団結して支えていけなかった。たがいにうまく立ちまわって有利な地位を得ようとする競争に、貴重な努力をかなり浪費することもありました。そしてついに創立者のロバート・ハッチンズ氏が亡くなると、研究所自体も間もなくなくなりました。
 しかし、こうしたことはあっても、女史とともに仕事をするなかで得た経験によって、私は勇気を得ることができ、視野を広げられました。私は女史の「海洋のための、海洋からの新世界秩序」という目標を求め続ける生き方に対して、深い尊敬の念をいだいています。
 他にも、師と呼べる方に、何人か出会いました。そこには、核時代平和財団を私とともに創立した三人の方々――ウォーリー・ドゥリュー氏、チャールズ・ジャミソン氏、フランク・ケリー氏が含まれます。三人は私よりも年配で、第二次世界大戦の兵役経験者です。
 彼らの世代の多くの人たちと違って、彼らは世界から核兵器をなくすため、国際法を強化するため、戦争のない世界をつくるための努力に、積極的に加わりました。三氏それぞれが、勇気と知恵を示され、私に助言と指導をあたえてくれました。たいへん助けられています。

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