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日蓮大聖人・池田大作

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人類の生存と世界宗教  

「美しき獅子の魂」アクシニア・D・ジュロヴァ(池田大作全集第109巻)

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11  ジュロヴァ 私は、寛容という言葉を開放性として理解いたします。つまり、さまざまな道徳や倫理が共存し、人類の生存という基盤の上に統合され、たんなる消費モデルをこえるのです。このことは、すべての民族文化が正当性を持つということでもあります。
 ところで、創価学会は、二つの大戦を経験した二十世紀の民衆に課せられた至高の義務は、二十一世紀を人類に至高の価値を置く「生命の世紀」にしていくことである、と宣言しています。こうした主張は、どのようなお考えから出たものなのでしょうか。
 池田 私が二十一世紀を「生命の世紀」とすることを提唱したのは、二十一世紀を、すべての人間が画一化のもたらす差別と迫害から解放されて生命の尊厳性を輝かせる世紀、すべての民族文化が豊かな生命の可能性を多彩に実現していく世紀、また、人間と他の生物、大自然が調和して共存していける世紀にしていかなければならない、との決意によるものです。そうでなければ、人類の生存権自体が崩壊してしまいます。さらに、「理性」と「信仰」ということで言えば、人間存在について、理性や意識を十分に尊重しつつも、この次元をこえて、生命の次元にまで洞察の光を差しこむべきである、という主張も含んでいます。
 時代の潮流は、大局的に見て、まさに「生命の世紀」を志向しているように思われます。創価学会は、日蓮仏法の立場から、「生命の世紀」のために貢献していきたいと考えています。
 ジュロヴァ そうですね。全面的に賛成です。世界はその多様性のゆえに豊かなのです。そして、生命は、それを抑圧し、画一化させようとするいかなる力よりも、つねに強靭なものなのです。

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