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日蓮大聖人・池田大作

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第十一章 人類共生への「選択」――地球…  

「21世紀への選択」マジッド・テヘラニアン(池田大作全集第108巻)

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12  「友情」は平和を広げるもっとも強い“絆”
 テヘラニアン ええ。人間の人間たる真の証は、まさにその一点にありますね。
 一九九二年、初めて会長とお会いしたとき、ここに私の精神と共鳴しあう同志がいる、と発見したことを懐かしく思い起こします。
 その翌日、私はその思いを「友情の贈りもの」と題する詩に託し、こう詠みました。
   初めて会った二人
   なれど 時間と空間を超え
   我らを分かつ言語も超え
   はやくも 議論できる友となった
   我ら二人は
   束縛なき絆を
   国家なき同盟を
   精神の王国で形成したのだ
   心の言葉は 口先の言葉よりも
   甘美にして 我らを引き裂かない
   そが もたらすは
   超越への 希求のなかで
   それぞれの
   時間と 空間と
   言語と 苦難の
   固定と脆弱を超えて
   二人を一体となす 歓び
 池田 ありがとうございます。博士の真心がひしひしと伝わってくる、すばらしい詩です。私どものこれまでの対話を、見事に集約しています。
 この世界には、人間と人間の絆を断ち切り、世界と世界を分断する力がつねに存在しています。しかし、乗り越えられない対立など絶対にないのです。
 人間精神に内在する「善」の力をもって、分断という「悪」の力と絶えず戦っていかねばならない。
 そのためにも、あらゆる差異を超える「人間性」の大地に立つ、強固な民衆の連帯を築きあげていかねばなりません。真の「対話」とは、そうした善なる民衆の連帯を形づくる“つむぎ糸”の役目を果たすものと言えましょう。
 「友情」こそ、人生にとってもっとも美しく、もっとも強い宝です。「友情」といっても、特別なものではありません。友を思いやる、言ったことは必ず守る、約束は違わず実行する――それが「友情」です。
 人間性の根本ともいうべき、この「友情」を広げることが、すなわち「平和」を広げることです。迂遠のようでも、それがもっとも確実で永遠に崩れない道となるのです。
 博士は、私にとって、同じ「平和の旅路」を歩みゆく大切な同志です。
   ともに進みましょう!
   永遠の平和という理想に向かって――。
   ともにめざしましょう!
   人類を結ぶ、新しき精神のシルクロードを――。

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