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日蓮大聖人・池田大作

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第十章 世界市民の要件――「共同体」と…  

「21世紀への選択」マジッド・テヘラニアン(池田大作全集第108巻)

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13  次代担う青年に「平和教育」を
 池田 それは、じつに得がたい経験でしたね。若いころに、さまざまな人に直接ふれ話しあうことは視野を大きく広げるものです。
 その意味からも、次代を担う青年が、世界に開かれた心をもって、平和建設に挺身する勇気と知性をやしなっていける環境づくりをさらに進めることが重要ですね。SGIが世界各国の青年の支援を進めているのも、この意図からです。
 平和学者のガルトゥング博士も、「平和への献身的情熱」と「平和のための知性」の両方を兼ね備えた人材の重要性を訴えておられました。
 博士には、「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」を建学の精神に掲げる創価大学で、平和構築に貢献できる人材専門家を養成したいとの、私の願いを快く受け入れてくださり、短期間ではありますが、特別講義を行っていただいたことがあります。
 「ピースリサーチャー(平和のための研究者)ではなく、ピースワーカー(平和のための行動者)に育て」との博士の思いが、講義から伝わってきたと学生たちが感動の面持ちで語っていました。
 テヘラニアン 崇高な理念を掲げる創価大学から、陸続と「ピースワーカー」が育っていくことを私も念願しています。
 戸田平和研究所においても、将来的には次代を担う青年たちを対象にした「平和教育」に力を入れていきたいと考えています。
 私は、これを「青年のためのグローバルラーニングとリーダーシップフォーラム」と名づけていますが、私が若いときに経験したような形で世界各地から青年たちを募り、交流や意見交換を幅広く行うことのできるフォーラムを定期的に開催できれば、と考えています。
 また、できるだけ多くの世界の青年たちに意見の発表の場を提供するために、毎年、場所を変えて開催することも有益かと考えます。
 池田 ガルトゥング博士も、「現在、平和学は、これまでの知識構築という焦点(平和研究)から技術面の焦点(平和訓練)へと進展しつつある」との見通しを語っておられました。
 その意味で、戸田平和研究所が、世界の青年たちのために「平和教育」を推進することの意義は大きいと思います。
 青年こそ、未来の希望であり、未来を開く力です。だからこそ私も、その育成に最大の力をそそいできました。
 青年たちが世界の人々とふれあい、対話を重ね、社会のために行動することによって自身を鍛えていく。そして、自分だけでなく一人でも多くの人の心に「平和の炎」を灯し、燃えあがらせていくことが人類を混迷の闇から救いだす「希望の光明」になっていくと、私は確信しています。

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