Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第二章 「寛容」と「多様性」――地球ル…  

「21世紀への選択」マジッド・テヘラニアン(池田大作全集第108巻)

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13  画一化は死、多様性こそ文化の生命力
 テヘラニアン しかし一四九二年に、ムスリムがスペインから追い出されるやいなやユダヤ教徒も追い出され、以後、キリスト教の異端者に対する暗黒の宗教裁判が続きました。こうした歴史にもとづく教訓の意味は明らかです。すなわち、多様であることが文化の生命力の淵源であり、画一化は文化を沈滞させるのです。
 池田 多様性の否定について、テオドールアドルノも「純粋な同一性は死であるという哲学命題の正しさをアウシュヴィッツは証明している」(『否定弁証法』木田元徳永恂渡辺祐邦三島憲一須田朗宮武昭訳、作品社)と述べています。生命とは多様性の別名です。画一化は死です。多様な
 文化を尊重し、ともに共存の道を模索することが、文化の画一化が進行する現在、もっとも求められていることではないでしょうか。人間と人間が語りあうこと、これがすべての始まりです。人間と人間が心を開きあい、知りあい、友情を深めあえば、そこからいくらでも相互の違いや多様性に対する理解が生まれるのです。
 テヘラニアン 同感です。そして、この対談こそが、そうした努力を促進するものとなることを願ってやみません。

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