Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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あとがき モントリオール大学教授 ギー…  

「健康と人生」ルネ・シマー/ギー・ブルジョ(池田大作全集第107巻)

前後
2  現在のグローバリゼーションへの力強い動きは、しかしながら、国家を超え、文化を超えた「出あい」に涵養されていることも事実である。このてい談もそのような多くの出あいの一例にすぎない。本てい談では、ともすれば分断したり対立しあう学問の分野や文化の間の垣根を取り払うように努めた。私たちの目的は、論争したり、説得したり、あるいは相手を打ち負かしたりすることではない。私たちはたがいに相手からより多くのものを学びたいと考えた。私たちは、とらえがたい現実をなんとかして理解しとらえようとしたのである。
 それゆえに、私たちは、本てい談によって解答を得たからというよりも、むしろ現実に即した、明確で包括的な質問意識をもつことができたという意味において、得るところが多かったといえる。
 今まで何度か述べてきたように、健康とはつねに問題をはらんだ「均衡状態」への不断の探求のなかにある。それはまた、「意味」への探求でもある。その意味は、私たちが人生を経験するごとに矛盾をきたすものであり、それゆえにつねに新たな探求が必要となる。
 私たちは、本てい談と相互の意見交換の時期を経て、多くのものを学んで、それぞれの人生の道に戻る。本書を読んで、読者も話しあいに参加されるのであるが、その後、読者もまた、それぞれの異なった独自の道に戻ることになる。読者の皆さんが本書を読んで、今までよりも用心深く賢明に、自分の健康に留意するようになってほしいと思うが、しかし、それによって、生活の勢いや溌剌さが失われることのないよう望みたい。皆さんの人生が楽しくすばらしいものであってほしい。本書は、できるだけ多くの人々にとって、生きることが楽しいと言える世界を、ともどもに創出していくための呼びかけであり、願望である。

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