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日蓮大聖人・池田大作

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序文 池田 大作  

「健康と人生」ルネ・シマー/ギー・ブルジョ(池田大作全集第107巻)

前後
3  私は、仏法者として、二十一世紀、そして、第三の千年を迎えるにあたり、「人類の健康」をどのように促進すべきかに思索をめぐらせてきた。そのような時に、ガン研究の世界的権威であるシマー学長と、生命倫理の専門家で、キリスト教神学にも深い学識をもたれているブルジョ博士に出会ったのである。お二人とも、長い間、大学教育にたずさわってこられた、優れた教育者であられる。
 三人の「語らい」は、まず、シマー学長の専門であるガンとエイズの医学的知見、ブルジョ博士の専門であるガン告知やエイズによる差別の問題と人権から始まった。(第一章)
 次いで、健康の本質を掘り下げ、「生命の本来的な調和」(第二章)におよび、それを基軸に、“生と死”
 に関する具体的な生命倫理の課題(第三章)に意見を出しあった。
 さらに、生命と人間の歴史を遡行し、生命の発生、進化論、人類の誕生について考察した。(第四章)
 最後の「生命の世紀の黎明」(第五章)では、「教育」を中心に据え、現代文明の内包する“社会病理”を摘出しつつ、第三の千年へと開かれゆく「人間観」「世界観(コスモロジー)」の構築を試みたのである。
 シマー学長、ブルジョ博士はともに、現代文明の“病理”を癒す“医師”として、また“人類の教師”としての貴重な知見を披露されたのである。
 二十一世紀が“科学性”と“精神性”が共鳴し、融合しつつ、健全なる“人類文明”を現出させる「生命の世紀」となることを望んでの両博士との「対話」であった。
 本書を手にされる方々にとって、両博士と私の思索の過程が、豊潤な“健康と人生”を開花させ、同時に精神性に輝く“人類文明”への参画者となるための“糧”となれば幸いである。

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