Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

アマゾンの開発はいかにあるべきか  

「21世紀の人権を語る」A.デ・アタイデ(池田大作全集第104巻)

前後
1  池田 また、「環境の権利」も、「第三世代の人権」の一つに挙げられます。地球環境の問題は、影響性の広範さからいって、最大の“人類的課題”といえましょう。地球環境の破壊は、自然を収奪し、資源を浪費するという、現代文明のあり方そのものが引き起こす問題だからです。
 一九九二年六月、貴国で開催された「環境と開発に関する国連会議」(環境サミット)は大きな意義をもった会議でした。SGIでは、公式関連行事として、人間と自然との共存をテーマにした「環境と開発展」を開催し、アマゾンの豊かな自然や資源を紹介しつつ、「持続可能な開発」の道を探りました。アタイデ総裁には名誉実行委員としてご協力を賜りました。あらためて感謝申し上げます。
 アタイデ いえ、いえ。“人間こそが大切である”――これが、私の変わらざる信念です。環境問題においても同じです。人間がどうあるべきか、です。人間は地球の主体者としての責任、自覚がなければなりません。
 かつて、自動車王といわれたヘンリー・フォードと話をしたことがあります。彼は「アマゾン開発こそ人類の最後のドラマである」と語っていました。私もまったく同じ考えです。世界が食糧危機に直面したとき、アマゾンが世界の食糧基地になるでしょう。私は、全人類のために貢献できるアマゾンを築きたいと願っています。
 池田 「全人類のために」という総裁の視点に敬意を表したい。アマゾンの開発は、経済的側面のみにとらわれず、先住民の人権等を侵害しないといった諸条件を考慮し、「人類益」「地球益」に十分配慮した立場から進められるべきです。
 われわれは、二十一世紀を生きる未来の人々のために、経済至上主義、国家主権至上主義の路線を転換する必要があることを痛切に感じています。人類の生存は、その一点にかかっているといっても、過言ではないでしょう。
 「環境と開発展」でも、人類と自然との共存が焦点でした。その後、ブラジルSGI、創価大学自然環境研究センター、アマゾナス州環境科学技術局が共同して「アマゾン熱帯雨林再生研究プロジェクト」がスタートしました。このような活動が、貴国のみならず、世界の“持続的発展”への一助となることを期待してやみません。

1
1