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日蓮大聖人・池田大作

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八、教育と学習のために  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

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7  私は、いま、ペッチェイ博士が述べられた学習と教育とを区別するとともに、この両者が健全に機能し補い合っていくようにしなければならないという点に関して、牧口初代会長の半日学校制度は、その基本的具体化の一つのあり方となりうるのではないかと考えます。
 それとともに、現代のような混乱した時代にあっては、常識の学習という健全な基盤こそが大事になるとのご指摘に関して、私は心からの共鳴をおぼえます。これも、牧口初代会長が口ぐせのように言ったことですが、「道に迷ったら出発点に戻れ」というのです。ごく当たり前のことですが、人間は、道に迷ったことに気づきはしても、せっかくここまで歩いてきたのだから、これまでの努力をムダにしたくないという執着心を拭い去ることがむずかしいものです。その結果、出発点に戻ることを延期しようとします。そして、ますます迷路に入り込んでいくのです。
 現代人にとって出発点に戻ること──それは、人間とは何か、どう生きることが人間らしい生き方なのかということを思い浮かべ、そこから、一切の文化を立て直すことです。早い話、人間が互いに殺し合うことが人間らしい生き方なのかどうか、この一点から考えれば、戦争と平和の問題も明瞭でありましょう。また、常識という出発点に戻ったときに、万人の参画の道が自ら開かれることは間違いありません。
 注1 ローマ・クラブ第六レポート『限界なき学習』(J・W・ボトキン他著、大来佐武郎監訳、市川昭午他訳、ダイヤモンド社)=一九八〇年発刊。
 〔英語版 No Limits to Learning,A Report to The Club of Rome,by J.Botkin,M.Elmandjra and M.Malitza,Pergamon Press,Oxford,1979:ドイツ語版 Das Menschliche Dilemma,Verlag Fritz{Molden,Wien and Munich〕

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