Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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七、伝達手段と心の交流  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

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6  ペッチェイ 日本や、他の技術先進諸国では、忙しく働く研究員や企業経営者の尖兵たちが、進歩の境界線、つまり情報社会を、さらに高く築き上げています。これに対しては、われわれは感嘆の念でいっぱいですが、多少の疑念もわいてきます。
 この新たな境界線に、果たしてどれだけの人びとが、生活を適合させられるでしょうか。一般の市民は、コミュニケーションの機会を多く与えられるにつれて、心の触れ合いがますます少なくなるように仕向けられるのではないでしょうか。あるいは、この種の進歩は、世界数十億の一般市民にとっては、外縁的で人為的に押しつけられたものとしてではなく、あたかも音楽を演奏したり、山登りをしたり、神を心に思ったり、交通渋滞の大通りを横切ったり、自国の言語や方言をしだいに身につけるように、先天的能力の一つの延長として容易に習得できるものとして、もたらされるものなのでしょうか。

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