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日蓮大聖人・池田大作

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二、生命の永遠性と業について  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

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8  また、第二点の自由意思と業の問題については、現在の人生の中で得るさまざまな結果が、生まれる前につくった原因によってすべて決まっているわけではありません。生まれる以前にある因は、きわめて幅の広い素材で、生まれてからの努力や人生の軌跡が、それを決定的なものにしていく場合のほうが多いと考えられます。
 端的に言えば、人間は、他の生物よりもはるかに幅広い自由性をもっています。ここに、人間に生まれること自体が善行の結果であるとされる理由があります。ゆえに、人生においてその自由性をいかに行使するかという点が、重要になってくるわけです。
 つまり、人それぞれによってさまざまな業をもっており、その中には決定的な業もあれば蓋然的な業もあるわけですが、決定的な業に対しても、それにどのように対処するかによって、そこから未来のために善い因をつくるか悪い因をつくるかの違いが生じます。人間はそれを選択し、そこに挑戦することができるのです。
 たとえば、あなたは青年時代をファシズムの嵐の荒れ狂う中にすごされました。それ自体は、過去の業によるといえます。しかし、あなたはファシズムに加担して悪い業をつくる道でなく、ファシズムと戦い、人間の尊厳を守るために戦う道を選ばれました。それは、素晴らしい善い業の因を未来のためにつくられたのです。逆に、ヒトラーなどは、大変悪い業の因をつくる方向に突き進んでしまったわけです。
 ともあれ、広い意味でいえば、人間が、自らのもっている条件と戦い、善い業の因をつくる方向に、自らの生き方を変えていくのが“人間革命”といえます。

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