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日蓮大聖人・池田大作

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自然との和解  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

前後
6  かくして、たとえそれが物質革命に対する信頼や現代人が構築した進歩・富裕・福祉・文明等の概念を根底から揺るがすことになるとしても、われわれの現在の見解や姿勢を徹底的に再評価しなければならないときがやってきました。人類が未来に向かって安全に、そして心静かに進むためには、思考上・行動上の新たな指針が不可欠です。わけても肝要なのは、つぎのような考察です。それは、人間が自然と和解し直し、自然との調和を取り戻すことに成功しないかぎり、他のいかなる問題にも適正に取り組むことができず、ましてや解決などありえず、いかなる経済的・社会的発展も不可能であり、いかなる計画も非現実的であり、われわれが子孫に受け継がせたいと願ういかなる遺産も有効たりえず、事実、何をやってもそれは永続的なものではありえないということです。自然との和解・調和こそは、人間開発(ヒューマン・デベロップメント)と並んで現代の基本的な絶対必要事項。であり、またこの小さく傷つきやすい惑星上で現代人が強大化した力と比類なき責任をもつ地位にのし上がったことを考えるときに、そこから真っ先に得られる結論の一つでもあるのです。その他のあらゆる考察は、せいぜい補助的なものでしかありえないでしょう。

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