Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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“物質革命”の成果  

「21世紀への警鐘」アウレリオ・ペッチェイ(池田大作全集第4巻)

前後
3  大昔から、もろもろの動植物は人間の仲間であり、人間の生存を支えてくれました。ところが現代にいたって、われわれは、彼らをきわめて短期間に、無制限に殺戮したのです。われわれはまた、自分たちが他のあらゆる生物とともに依存している大地や空気や水そのものを汚し、毒することによって、自らの環境をも劣化させてきました。人類は、無秩序に広がる人工的な都市や工業やあらゆる種類の人工的制度からなる、巨大なテクノスフェア(人間中心の工業・科学技術)を作り上げましたが、この間、それらがますます必要とする空間や資源は自然システムを犠牲にして獲得されているという事実も、また、それらが増え広がることは人間自身を反自然的で、機械的で、人口過多の生活様式の軛に服従させることになるという事実も、顧みようとはしなかったのです。
 われわれはいまようやくにして、非常に高い代価の支払いを請求されるだろうということに気づき始めています。それは、地球が他の多くの形態の生命体の貢献によって現在の姿になっており、それゆえにこそ美しく寛大であるのに、その地球を、あたかもわれわれだけの居住地でもあるかのように改造しようとする誘惑に屈してきたことへの代価です。こうした仕事の最後を飾って、人類が作り出した最も人工的な加工品こそ、人間生命を含め、あらゆる生命にとって必要なすべてのものを一瞬のうちに破壊できる、あの「爆弾」だったのです。

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