Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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「科学と宗教」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)
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この壮大なるテーマに取り組んでいくうえで、私どもは本対談を次の三点に焦点をしぼって進めていった。
第一に、現代科学の本質を理解するための親しみやすい手引きとなるよう、科学の全般にわたって幅広くテーマを選ぶことを心がけた。
ログノフ博士は素粒子研究の世界的な権威であるが、専門的な科学の問題を、できるかぎり平易にわかりやすく語っていただくよう、ずいぶんご無理をお願いした。
素粒子という“ミクロの世界”を解明することは、そのまま“マクロの大宇宙”の神秘に迫ることに通ずる。「素粒子論」を基礎に、「宇宙論」「分子生物学」「進化論」「大脳生理学」など、現代科学の最先端の知見を提示していただいた。
第二に、このような現代科学の成果を踏まえて、「宇宙と生命の謎」そして「生と死」という、人類の誕生とともに存在する課題を取り上げた。仏法の智慧と科学の知見との出会いによって生まれる創造的英知が、こうした課題への解決の端緒となれば、これ以上の喜びはない。
第三に、文明論的な視座からの対話である。現代の科学技術文明とは、一面からいえば西欧近代が生みだした果実であるが、人類の絶滅をも可能とする核の脅威はもちろんのこと、環境破壊をはじめとする「地球的問題群」が、そこから生みだされたこともまた事実である。「ガイア(生命体)」としての地球それ自体を破壊しかねない科学技術を、いかにして二十一世紀の文明の構築によみがえらせるか。
博士と私の思索は、長足の進歩を遂げる科学技術を、人類の幸福と繁栄のためにコントロールし、止揚しゆく“精神的なるもの”として、「世界宗教」への期待に収斂していったのである。
ロシア社会の激変のただ中にありながら、博士は厳として、はるかなる未来を見つめつつ、真摯に、そして情熱的に対話をつづけてくださった。私は万感の思いを込めて、感謝申し上げたい。
何分にも多忙な日々のなかでの対談であり、十分に意を尽くせていない面も多々あると思うが、後につづく青年たちが、この語らいをさらに広げていってくださることを期待してやまない。
一九九四年四月二日
池田大作
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