Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「軍隊なき国家」の挑戦 フィゲレス コスタリカ共和国大統領

随筆 世界交友録Ⅰ Ⅱ(前半)(池田大作全集第122巻)

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13  世界へ世界へ「精神の道路」を
 月光の夜だった。
 寄せては返す地中海の波が、悠久のリズムを奏でていた。
 アレクサンドリア。地中海の花嫁。世界の文化の首都。
 大図書館でアルキメデスが学び、ユークリッドが幾何学を講じ、大灯台の明かりを目当てに、あらゆる民族が交流した世界都市。遠くインドからアショlカ大王の文化使節も歩いた街路。
 クレオパトラとシーザーたちとの、愛と葛藤のドラマ。ナポレオンが「フランス学士院会員」の肩書を誇りつつ、アレキサンダー大王に憧れて上陸した町。それらの絵巻も、きのうのような気がした。
 波の歌に「永遠なる命」の実在を直覚しながら、私は思った。
 巨大な古代エジプト文明を築いた人々は「百フィート(約三十メートル)の人間」と呼ばれた。
 今もまた、出でよ「大いなる人間」よ! 久遠の息吹を呼吸しながら、逞しく現実を開拓しゆく創造者よ!
 汝とそ「大いなる文化」の当体。「大いなる人間」が地から湧き出て世界を結ぶとき、文明の曙以来、民衆が夢見つづけた「黄金の世紀」は開幕する、と。
 世界へ、世界へ、永遠に崩れぬ「精神の道路」を。
 そのための文化戦線の偉大な同志のお一人が、ホスニ大臣なのである。
 (一九九六年十月二十七日 「聖教新聞」掲載)

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