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日蓮大聖人・池田大作

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体制を超えた人格の魅力 ホフロフモスクワ大学総長

随筆 世界交友録Ⅰ Ⅱ(前半)(池田大作全集第122巻)

前後
5  あれから世界は激変したが、総長の逝去後も、ご一家との友情は続いている。
 九二年にはホフロフ総長の長男アレクセイ・ホフロフ教授(モスクワ大学)と三重で再会できた。総長の墓へ参じた(八一年五月)あと、ご自宅でお会いしてから、三度目である。
 「父と池田先生との間から両国の新しい交流が生まれたことを私は誇りに思っています」と言ってくださった。
 「今でこそ外国との友好を口にするのは簡単ですが、あのころ、無理解のなかで『国は違っても、人間はたがいに仲良くできる』と主張し、行動することが、どんなに大変だったかを私たちは知っているからです」とも。
 私は、立派に成長されたど子息を見つめながら、ホフロフ総長が、この姿をどんなに喜んでおられるかと、胸に迫る思いがあった。
 父から子へ、心はつながっていた年々歳々、両大学の交流も二十年間で多くの人材を輩出した。
 「やりましょう。未来の世代のために!」。総長と語りあった、あの日、あの時。
 人間性は通じあうと信じ、目には見えない心を信じて始めた「春への一歩」の正しさを、若き世代が今、証明しようとしてくれているのである。
 (一九九五年六月十八日 「聖教新聞」掲載)

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