Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第26巻  

小説「新・人間革命」あらすじ

前後
2  【法旗】
  「教学の年」第2年となる1978(昭和53)年の1月6日、新春本部幹部会で、広布第2章の「支部制」の実施が発表される。それまでの総ブロックを支部とし、草創期の支部のように清新な息吹で、仏法対話の輪を広げ、学会伝統の信心錬磨の組織を築き上げていくことになった。
  「支部制」による、新たな発展の原動力は婦人部であると考えていた伸一は、14日、第2東京本部の婦人部勤行会に出席する一方、教学部師範会議や教学部大会にも出席し、自ら教学運動の先頭に立っていった。
  16日、彼は、愛媛県の松山へ。青年部幹部の家族や、会館管理者とその家族を励まし、功労者宅に足を運ぶなど、学会を陰で黙々と支える友に光を当てる。18日の松山支部結成18周年記念勤行会では、参加者を玄関前で出迎えもした。その夜、地元の婦人部幹部の要請を受け、急きょ、愛媛訪問最終日の19日に、勤行会の開催を決める。自らの昼食の時間を勤行会にあてたのである。それは、幹部は会員のためにあるとの精神を行動で示すものであった。
3  【勇将】
  1月19日、香川県の四国研修道場を訪問した伸一は、広布第2章の「支部制」の新出発にあたり、「創価学会の発迹顕本」といえる戦いを開始しようと心に誓う。その夜、方面・県幹部との懇談会では、〝会合での指導と個人指導の比率は2対8を目標に〟等と指導する。
  21日には、新支部体制発足後、初となる四国研修道場での本部幹部会に出席。伸一は、幹部の最も大事な信心の基本姿勢は、同志を大切にし、一人のために尽くし抜くことであると力説。翌22日は、皆が自由に参加することができる勤行指導会を開催し、集った同志に渾身の激励を重ねる。その後、視察に向かった高松講堂の建設予定地では、寒風のなかで待っていた人たちを抱きかかえるように励ます。
  1月25日、奈良支部結成17周年記念幹部会が、完成したばかりの明日香文化会館で行われる。席上、花束を贈られた草創の奈良支部の初代支部長・婦人部長夫妻には、烈々たる確信で夫の病を克服し、無理解の罵倒にも屈せず、弘教に走り抜いてきた体験があった。伸一は、一切の学会活動は「折伏精神」を根本としていることを述べ、わが生命に「信心の王城」を築くことが、新会館に魂を打ち込むことになると訴える。
4  【奮迅】
  東京に戻った伸一は、1月27日、全国で行われる支部結成大会の冒頭を飾る、東京・杉並区の方南支部結成大会に出席。「支部は地域における学会本部」と語り、地域を「幸せの花園に」と念願する。
  2月18日、伸一は東京・立川文化会館で行われた本部幹部会へ。翌19日には、同会館に集った信越男子部の代表に、ホイットマンの詩の一節を引いて、今、立ち上がることの大切さを指導する。
  「支部制」が軌道に乗り始めたことを確認した伸一は、次に、最前線組織であるブロックの強化に力を注ぐ重要性を痛感。首脳幹部との懇談で、若き日に通い続けた埼玉・川越地区での御書講義について述懐し、真剣勝負の行動の大切さを強調する。
  伸一の奮闘によって、「支部制」に魂が打ち込まれ、組織の隅々まで、新生の息吹があふれていった。3月の半ば、彼は幹部に、油断を排し、「日々挑戦を」と訴える。
  学会は、宗門の悪侶らの誹謗中傷という、猛り立つ波浪のなかを進んでいたのである。大転回点が仏教の発祥であったことなどを訴える。

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