Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第22巻  

小説「新・人間革命」あらすじ

前後
3  【波濤】
  未来を開くために何よりも必要なのは新しい人材である。伸一は、ハワイから帰国すると、創価大学での夏季講習会で陣頭指揮を執る。
  8月3日の「五年会」の総会、翌日の高等部総会での渾身の指導をはじめ、連日のように各方面の幹部や各部の代表と懇談を重ね、さらに、未来部員を見送るなど寸暇を惜しんで激励を続けた。
  東京男子部の講習会では、外国航路で働く船員の集いである「波濤会」のメンバーと記念撮影する。
  「波濤会」からは、大しけで船首を折られた貨物船の乗組員全員の救助に成功し、総理大臣表彰を受けた「だんぴあ丸」の船長など、多くの人材が育つ。また、不況にあえぐ海運業界を勇気づけようと企画した「波濤会」の写真展は海外10カ国へ広がり、共感の波を広げていく。
  伸一は、若い女性の育成にも全力を注ぎ、9月9日には、女子部学生局の幹部会に出席。御書を通して指導したあと、夜の会合の終了時間を早め、午後8時半とする「8・30運動」を提案。
  28日には、女子部の人材育成グループ「青春会」の結成式へ。彼は21世紀を託す思いで魂を打ち込んでいく。
  新時代の女性リーダーを育成するこの会は、次々と各方面で結成されるが、伸一は折あるごとにメンバーを励まし、見守り続ける。やがて総合婦人部長、婦人部長をはじめ、広布の枢要な立場で活躍するメンバーや社会で重責を担う人材が育っていく。
4  【命宝】
  この世で最も尊厳な宝は、生命である。9月15日、伸一は、その生命を守る、現代の四条金吾ともいうべきドクター部の総会に初めて出席する。「健康不安の時代」と言われている現代にあっては、心身両面にわたる健康に着目する必要があると指摘し、精神的な健康の確立が身体上の健康増進の大きな力となることを訴える。この日は、後に「ドクター部の日」となる。
  11月7日夕刻、本部総会に出席するため広島入りした伸一は、到着早々、落成間もない広島文化会館の館内をくまなく視察。夜には開館式に出席して指導。8日には、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花し、祈りを捧げる。
  9日、被爆30年を迎えた広島の地で本部総会を開催。伸一は、この地上から一切の核兵器が絶滅する日まで、最大の努力を傾けることを宣言し、広島での国際平和会議の開催など、全廃への具体的な取り組みを提案する。さらに、日本が目指すべき今後の進路や、創価学会の社会的役割などに言及。講演は1時間20分にも及んだ。
  終了後、来賓のレセプションを終えた伸一は、広島未来会第2期の結成式へ。少年少女合唱団も招き、交流のひとときをもつ。10日には、海外メンバーの歓迎フェスティバル、原爆犠牲者の追善勤行会などが続くなか、広島会館へ。会館前の民家の主にも丁重にあいさつし、対話を交わす。
  11日、予定を変更し、呉会館を初訪問。駆け付けたメンバーと勤行し、指導を重ね、その合間には、控室でも激励を続ける。また、広島文化会館に戻る途次、人待ち顔でたたずむ学会員を見つけては、励ましを送る。

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