Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第19巻  

小説「新・人間革命」あらすじ

前後
4  【宝塔】
  4月半ばに帰国した伸一は、長野や北陸など各地へ走った。
  そのころ、青年部の反戦出版委員会のメンバーが、戦争体験の証言集の編集作業に没頭していた。これは、伸一が、恩師の「原水爆禁止宣言」の精神の継承を青年部に託したことに応え、取り組んできたものだった。
  出版の先陣を切ったのは沖縄青年部であった。凄惨な体験ゆえに沈黙する人々にも、誠意を尽くして取材を重ねた。そしてこの年の6月、「戦争を知らない世代へ」の第1弾として、『打ち砕かれしうるま島』が発刊された。
  続いて広島・長崎の青年部も、原爆の惨劇を世界に叫ぶ証言集を出版。やがて1985年(昭和60年)には、47都道府県を網羅した反戦出版全80巻が完結する。戦争の悲惨を伝え、平和と生命の尊厳を訴える出版は、各界に大きな共感を広げた。
  1974(昭和49)年5月、伸一は視覚障がい者のグループ「自在会」の集いへ。幾多の労苦を越えてきた友を、全精魂を注いで激励。“皆が尊厳無比なる宝塔として自身を輝かせよ”と心から祈るのであった。

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