Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第16巻  

小説「新・人間革命」あらすじ

前後
3  【羽ばたき】
  帰国した伸一に休息はなかった。
  2月には東北へ。折からの豪雨で、訪問予定の秋田をはじめ、全国各地に大きな被害が出ていた。
  宮城入りした伸一は、秋田での記念撮影会を中止し、迅速に被災地域への激励の手を打つ一方、山形を訪問。さらに秋田に入って、メンバーを励ます。
  また伸一は、全国の被災地に救援態勢を整えるよう指示。各地に救援本部が置かれ、広島や島根をはじめ、救援隊の奮闘に、学会への感謝と信頼が広がっていった。
  10月12日——着工から4年、世界中の同志が待ちに待った正本堂が遂に完成。羽ばたきゆく鶴の姿を思わせる大殿堂で、晴れやかに式典が挙行された。
  「慶讃の辞」を読む伸一は、感慨無量だった。正本堂は、日達法主によって実質的な「本門の戒壇」と位置づけられていた。だからこそ、同志は、正本堂建立の供養に勇んで参加した。
  また正本堂は、権威で飾られた建築と異なり、民衆自身が人類の平和と繁栄を祈る、未聞の民衆立の大殿堂である。
  さらに伸一の意向で、参詣者の安全と至便性を第一に考慮した、「人間主義の思想」に貫かれた画期的な宗教建築となったのである。
  ところが、わずか26年後の1998年(平成10年)、67世の法主を名乗る日顕によって、正本堂は解体される。それは800万信徒の赤誠を踏みにじり、大聖人御遺命の「本門の戒壇」たるべき大殿堂を破壊する暴挙であった。
  しかし、御遺命の戒壇となる正本堂を建立した功徳・福運は、誰人も消すことはできない。学会は、宗門の暴虐の嵐を勝ち越え、人間主義の宗教として、21世紀の大空へ悠然と羽ばたく。

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